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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス

VI.硬膜外麻酔分娩と妊婦 妊婦の疑問に答えます

78.硬膜外麻酔を行うと分娩が長引くことはないのですか.

著者: 早田幸司1

所属機関: 1早田産婦人科クリニック

ページ範囲:P.562 - P.563

文献概要

1 はじめに

 分娩の進行を決めるのは娩出力,産道,娩出物である.硬膜外麻酔は,娩出力と産道に影響を与える.

 娩出力とは,産道を通って胎児とその付属物を娩出させる力のことで,主として陣痛と母体の腹圧からなる.周期的に反復する子宮収縮を陣痛といい,胎児を娩出させる最も大きな力になる.子宮収縮力が弱かったり陣痛の間隔が長くなった状態を微弱陣痛といい,分娩進行が遅延,さらには停止してしまう例がある(表1).

 日本産婦人科学会では,初産婦で30時間,経産婦で15時間を経過しても児娩出に至らないものを遷延分娩と定義しており,母児に障害を及ぼすことがある.原因は多胎妊娠,肥満,母体疲労,軟産道強靱症などいろいろあるが,正しい分娩法ならばどのような方法だろうと遷延分娩の直接原因になることはない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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