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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻4号

2004年04月発行

連載 Estrogen Series 61

「エストロゲン+プロゲスチンが更年期後女性の痴呆と軽度認知能力障害に及ぼす影響について」

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.612 - P.613

文献概要

今回ご紹介する論文は,大規模RCTであるWomen's Health Initiative(WHI)調査研究から派生して行われたWomen's Health Initiative Memory Studyに関するものである.その一部はすでに本欄Estrogen Series No.58にてご紹介ずみであるが,そこでは全般的認知能力(global cognitive function)についての影響が検討された.今回のものは,それに引き続いて更年期後女性をエストロゲン+プロゲスチン : E+Pと略す)群とプラセボ群とにランダムに分け,痴呆(dementia)および軽度(認識)認知能力障害(mild cognitive impairment : MCI)に及ぼす影響をみようとしたものである.

分析対象はEstrogen Series No.58と全く同一で,今回のものはその延長上にある.すなわち,Modified Mini─Mental State Examination(3MSE)という認知能力テストを毎年行い,ある決められた点数を割ると,それらの対象に対して今度はもっと詳細な検査である第2相試験と第3相試験を行った.第2相試験ではConsortium to Establish a Registry for Alzheimer's Disease(CERAD)試験を行い,さらにテクニシャンによる面接を行った.第3相試験では痴呆の診断に関して資格と経験のある医師が直接患者に面接し,評価する.第3相試験では,対象は「痴呆なし」,「軽度の知的能力障害(mild cognitive impairment : MCI)あり」,おそらく痴呆と思われる「痴呆の疑いあり(probable dementia”)」,の3種に分類された.第3相の面接で「痴呆の疑いあり」が診断されると,第4相試験の対象となり,そこではCTやMRIなどの映像検査がなされ,(治療可能性を持つ)可逆的な原因があるかどうかが確認される仕組みである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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