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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科医に必要な乳がんの知識 乳がん検診の実際

1.問診と視診・触診

著者: 佐川正1 岩本幹子1 鷲見尚己1

所属機関: 1北海道大学医学部保健学科

ページ範囲:P.875 - P.883

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はじめに

高エストロゲン状態が乳癌のリスク因子と考えられているが,乳癌患者の5~10%は遺伝的素因により乳癌に罹患するとされ,乳癌の家族歴が最も強力なリスク因子であることが欧米の疫学的調査で明らかにされている.したがって,問診では内分泌学的因子だけではなく,乳癌,卵巣癌などの家族歴,既往歴を詳細に聴取し,遺伝的素因を見逃さないようにすることが大切である.

現在,乳癌検診には,マンモグラフィと視触診によるマンモグラフィ併用検診が導入されているが,マンモグラフィ単独では約10%の乳癌が検出不可能であると報告されている1).特に50歳未満の若年齢では検出不能の率がさらに高くなることが指摘され,また,マンモグラフィで検出不能の乳癌には腫瘤径が1~2 cmの浸潤癌が多いことも見過ごせない問題である.したがって,マンモグラフィ併用検診を行うに当たっても,われわれは視触診の精度を高めて,乳癌の見逃しを避けることが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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