臨床婦人科産科58巻7号

2004年07月発行

今月の臨床 産婦人科医に必要な乳がんの知識

乳がんの診断

2.乳腺症，良性腫瘍との鑑別

著者： 山片重房¹ 山本久美夫¹ 山本彰¹ 田村一富¹

所属機関： ¹石切生喜病院婦人科

ページ範囲：P.910 - P.915

文献概要

婦人科医と乳房疾患

分娩・授乳，乳腺炎，乳汁漏出性無月経など，乳房は産婦人科診療の対象臓器として，その生理・病理を含まない教科書は存在しない．にもかかわらず，子宮癌・卵巣癌という女性特有の癌を取り扱う立場にある婦人科医が，なぜか乳癌にだけは例外的に敬遠姿勢を続けてきたようにみえる．そこでまず，次のような実態を再認識し，いま何が求められているのかを知ることから始めたい．