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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科医に必要な乳がんの知識 乳がんの治療

1.乳がん治療における最近の動向 乳房温存療法─その考え方と限界

著者: 園尾博司1 中島一毅1

所属機関: 1川崎医科大学乳腺甲状腺外科

ページ範囲:P.928 - P.933

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はじめに

30年前に世界で初めての乳房温存療法の無作為比較試験が始まり,乳房温存療法〔乳房温存手術に放射線治療〔放治〕を加える治療〕が乳房切除術と同等の生存率を示すことが報告された.その後,現在まで多くの臨床研究が行われ,乳房温存療法は多少の乳房内再発はみられるものの乳房切除術と同等の生存率を示すことが確認され,広く普及している.わが国では,乳房温存療法は15年余前から徐々に導入され,その後急速に普及し,2000年現在,わが国における乳房温存療法の頻度は41%である1).一方,2000年から乳がん検診にマンモグラフィが導入されたことにより,今後わが国の早期乳癌の比率は上昇し,乳房温存療法の頻度がさらに高くなるものと推測される.また,術前化学療法を取り入れ,乳房温存率を高めると同時に予後の改善をはかる臨床治験が行われつつある.本稿では乳房温存療法の現況,その考え方および限界について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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