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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻7号

2004年07月発行

連載 婦人科超音波診断アップグレード・4

子宮留腫の超音波所見

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科

ページ範囲:P.951 - P.958

文献概要

[1] はじめに

子宮留腫は,子宮腔内に各種貯留液が存在する病態であり,貯留液の性状により子宮留膿腫,留水腫(粘液,漿液),留血腫に区別される.用語上,臨床症状を伴う場合には留膿症,留血症と呼称すべきだが,便宜上,留腫と表現する.貯留液量に関する定義は特になく,報告例としては留膿腫で1 ml未満から記述1)が認められており,大きなものでは留膿腫で1,400 mlの内容液2),臍上に及ぶもの3),成人頭大のもの4)が報告されている.

留膿腫の頻度は婦人科外来患者の0.01~0.5%5~7)で,閉経後婦人に多く,60歳以上の高齢者の13.6%に認められたとの報告1)がある.留水腫の頻度については,Carlsonら8)は50歳以上の450例の婦人中で20例(4.4%)の子宮腔内液体貯留例(留水腫と考えられる)を検出したことを述べている.Vuentoら9)は,経腟超音波を用いて1,074例の無症状の閉経後婦人中で子宮腔内液体貯留例34例(12%)を検出しており,Bar─Havaら10)も経腟超音波を用いて1,175例の無症状の閉経後婦人中で166例(14.1%)の子宮腔内液体貯留例を検出している.留血腫についての頻度に関する報告は認められていないようであるが,われわれが経験した子宮留腫51例の内訳は留水腫32例(62.7%),留膿腫14例(27.5%),留血腫5例(9.8%)であり,留血腫の頻度は留水腫の15.6%,留膿腫の35.7%程度の比率であった11)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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