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今月の臨床 妊娠中毒症─新しい名称と定義
欧米諸国の最近の動向
著者: 森川肇1 阪本義晴1 山崎峰夫1
所属機関: 1奈良県立医科大学産科婦人科学教室
ページ範囲:P.984 - P.989
文献購入ページに移動妊娠末期,分娩時あるいは産褥時の母体に痙攣(子癇)の起こることがあり,多くの例で高血圧,蛋白尿,浮腫を伴うことは古くから知られていた.本症にみられる症状(高血圧,蛋白尿,浮腫,痙攣,昏睡など)は妊娠によって発症し,妊娠の終了によって治癒または軽快することから,妊娠に伴い母体血中に出現あるいは増加する因子(いわゆる毒素)により病態が惹起されるとの観点に立ち,妊娠中毒症との名称が用いられるようになった.しかし,当該因子を特定することができないのにもかかわらず妊娠中毒症という名が用いられてきたが,20世紀後半頃から本症を妊娠中毒症と呼ばないでおこうという意見が提案されている.
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