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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

今月の臨床 妊娠中毒症─新しい名称と定義 中毒症の臨床

4.関連疾患の管理・治療 3)肺・脳・眼関連疾患

著者: 村岡光恵1 髙木耕一郎1 太田博明2

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院産婦人科 2東京女子医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.1045 - P.1049

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はじめに

妊娠中毒症は高血圧,蛋白尿,浮腫からなる症候群として認識されてきたが,近年,血管攣縮を中心に病態の解明が進められている.2004年には,日本産科婦人科学会周産期委員会から,高血圧がその病態の中心であることを考慮した「妊娠高血圧症候群の定義・分類」が提案された1).そのなかで子癇は病型分類の4番目に位置し,妊娠20週以降に初発する痙攣発作で,てんかんや二次性痙攣を否定したうえで,発症時期により妊娠子癇,分娩子癇,産褥子癇とすると定義された.

また,肺水腫,脳出血,常位胎盤早期剥離およびHELLP症候群については,以前は特殊型と分類されていたが,「必ずしも妊娠高血圧症候群に起因するものではないが,かなり深い因果関係がある重篤な疾患であり,病型分類には含めない」と付記されている.ACOG(米国産婦人科学会)のpreeclampsiaの管理指針2)には,脳や視覚の障害,あるいは肺水腫,チアノーゼ,血小板減少,IUGRなどは,高血圧や蛋白尿の重症化と並んで,妊娠中毒症の重症度における判定基準の因子とされている.

本稿では,妊娠中毒症に伴って生ずる脳,肺,眼などの病態とその管理・治療について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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