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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 Dos&Don'ts婦人科当直の救急診療ガイド・3

[性器出血を伴うもの]性器の外傷

著者: 池上博雅1

所属機関: 1大阪府立急性期・総合医療センター産婦人科

ページ範囲:P.1063 - P.1065

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1 初療のチェックポイント

一般に外傷性の性器出血を主訴とする多くの症例は緊急性は少なく,緊急手術を要することは稀である.問診,診察,検査を順序よく行いながら適切に診断し治療する.

まず,外傷の起こった原因の問診が重要である.強姦による外傷性出血の場合は,警察との捜査協力が必要になり,腟内容液の採取や外傷の部位およびその程度の記載など法医学との連携も考慮しなくてはならない.一般的に幼小児期においては遊んでいての外陰部打撲による性器出血を主訴とする場合が多く,出血点の確認が重要である.思春期では,スポーツによる外傷が多くみられるが,特にスキーやスノーボードに関連した外傷性の性器出血では裂傷が大きかったり血腫の形成があり,重症の場合があるので注意が必要である.成人では,腟内異物や性交による腟の裂傷を主訴として来院する場合があるが,腟内異物の取り出しには注意が必要であり,裂傷が深い場合は血腫の形成がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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