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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 OBSTETRIC NEWS

超低体重児分娩に帝王切開を行うと新生児転帰は改善するか?

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.1059 - P.1061

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脳室内出血は超低体重児(<1,500 g)には大きな問題である.多くの産科的因子(妊娠中毒症,絨毛膜羊膜炎を含む)が脳室内出血の発症に影響することが示唆されている(Arch Pediatr Adoles Med 150 : 491, 1996/Ob Gyn 91 : 725, 1998).超低体重児分娩に帝王切開(帝切)を行うと,脳室内出血を予防でき,新生児転帰を改善できるという期待が産科医には根強くある.

25年前までは,妊娠28週未満または推定胎児体重1,000 g未満の場合は胎児適応(胎位異常,fetal distress)があっても帝切であった(AJOG 133 : 503, 1979).その後,新生児ケアの持続的改善があり,現在では500 g未満や妊娠22週でも長期間生存が報告されている.したがって,産科医が徐々により早い妊娠週数でも積極的に帝切を行うようになっている.しかし,胎児適応がある場合にそのような積極的介入が必要な胎児のサイズや妊娠週数に関する明らかなコンセンサスはないという問題がある.米国では1,000 g未満の児が全分娩の約1%で,周産期死亡の約半分の理由となっている(Ob Gyn Clin North Am 15 : 321, 1988).1,000 gで出生した生存児には重篤な罹患が残る(脳性麻痺,重篤な精神発達遅延,盲目,聴覚消失).したがって,生存は非常に高率の罹患と関連があるので,750 g未満または妊娠26週未満の児の取り扱いが新生児科医のジレンマとなっている(NEJM 329 : 1597, 1993/NEJM 331 : 753, 1994).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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