icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科58巻9号

2004年09月発行

今月の臨床 不育症診療─その理論と実践

免疫応答不全による不育症

著者: 高桑好一1 田村正毅1 田中憲一1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科(産婦人科)

ページ範囲:P.1143 - P.1147

文献概要

はじめに

近年,原因不明習慣流産の原因として免疫的要因が注目されている.胎児・胎盤系は母体にとって半分は自己,半分は非自己という性質を有しており,母体にとって半同種移植片とみなすことができる.したがって妊娠がうまく継続するためには,免疫反応の制御が必要であるが,最近では胎児・胎盤系に対し,母体が積極的な免疫応答を行い,適切な免疫反応が生ずることが妊娠維持に重要な役割を果たしているものと考えられている.今回のテーマである「免疫応答不全による不育症」は,そのような背景によるものであり,このような病態に対し,夫リンパ球によるいわゆる「免疫療法」が行われその有効性が報告されている.

本稿においては,免疫療法の実際について筆者らのデータを示しながら概説を行うこととする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら