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連載 症例
Thalidomide, celecoxib, irinotecanによりtumor dormancyが得られた進行子宮腺扁平上皮癌の1例
著者: 羽田正人1 水足一博1
所属機関: 1愛鷹病院外科
ページ範囲:P.1188 - P.1191
文献購入ページに移動今回われわれは,長期にわたってthalidomide,celecoxib,抗癌剤を使用して悪液質ならびに胸水・腹水をコントロールでき,外来でフォローアップできた症例を経験したので報告した.副作用としては湿疹がときに観察され,そのほか抗癌剤による骨髄抑制もみられた.しかしながら,抗癌剤投与に伴う消化器症状は軽減できたものと考えられる.残念ながら,喘息のある患者には適応しえない.
はじめに
胸水・腹水のコントロールは,癌が進行するほど癌性悪液質と相俟って非常に困難となる.胸膜癒着を目的として,ドレナージ後に種々の化学物質や抗癌剤が使用されるが,再貯留が多くの症例でみられる.治療の際の薬剤の選択,貯留胸水・腹水のドレナージ施行の可否,腺扁平上皮癌での治療の差異など多くの問題を含んでいる.今回われわれは,子宮腺扁平上皮癌で著しい胸水貯留を起こした症例にthalidomide,celecoxib,irinotecanを使用して良好な経過を得たので,文献的考察を加えて報告する.
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