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今月の臨床 症例から学ぶ多嚢胞卵巣 多嚢胞性卵巣と関連疾患
2. 多嚢胞性卵巣症候群が疑われたが,遅発性副腎過形成3β─HSD欠損症であった例
著者: 髙須信行1 當間武1 小宮一郎1
所属機関: 1琉球大学医学部内分泌代謝内科学(第二内科)
ページ範囲:P.61 - P.65
文献購入ページに移動多毛,月経不順,不妊をみたら多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)を疑う.また思春期以後に多毛,月経不順,不妊を訴えるものに遅発性副腎過形成(late─onset con-genital adrenal hyperplasia : late─onset CAH)がある.PCOSとlate onset CAHは臨床症状が似る.両者を鑑別することが大切である.多毛症のみの軽度の男性化を呈する女性の30~50%がlate─onset CAHである1, 2).そのうち40~60%が3β─HSD3(3β─hydroxysteroid dehydro-genase)欠損症,25~35%が21─hydroxylase欠損症,5~25%が11β─hydroxylase欠損症である1, 2).一方,PCOSではDHEAS(dehydroepi-andros-terone sulfate)が高値になる.DHEASが過剰になるadrenal androgen(AA)過剰はPCOSの50%でみられる3).PCOSとlate─onset CAHを鑑別することは重要である.
多毛を主訴とし来院したlate─onset CAH(3β─HSD欠損症)の1例を報告する.PCOSを疑い検査をした.PCOSではなく,多毛を主訴としたlate─onset CAH(βb─HSD欠損症)であった.
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