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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻1号

2005年01月発行

連載 Dos&Don'ts産婦人科当直の救急診療ガイド・8

[性器出血を伴わないもの]―卵巣出血

著者: 塩沢丹里1 小西郁生1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.105 - P.109

文献概要

1 はじめに

 卵巣出血は産婦人科領域における腹腔内出血のうち,子宮外妊娠に次いで頻度の高い疾患である.下腹痛を訴え,妊娠反応が陰性で,腹腔内出血を認める場合には本症の可能性を考慮しなければならない.経腟超音波の普及により診断は比較的容易になったが,緊急手術が必要な症例もあり,産婦人科救急医療では重要な疾患である.

 卵巣出血には,病態生理的に排卵出血と出血性黄体嚢胞とがある.前者は排卵の直後に排卵によって生じた卵胞膜の破綻部から腹腔内に出血する場合で,卵の排出の際に排卵孔近傍の卵巣皮質の小動脈の損傷を伴った際などに起きやすい.後者は黄体期に黄体形成に伴う新生血管が性交などの何らかの原因によって破綻し,黄体内に出血して出血性黄体嚢胞となる場合で,同時に黄体の出血破綻部から腹腔内出血を呈することが多い.頻度的には後者が高いといわれている.

 本稿では卵巣出血の一般的な臨床像と,婦人科救急疾患としての卵巣出血に対する初期対応と検査所見上の特徴,および取り扱いの基本について記載する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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