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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻11号

2005年11月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科の新しい画像診断法─PETを中心として CT─最近の話題

Multidetector─row CT(MDCT)―MDCTの基礎と婦人科領域での有用性

著者: 鈴木保子1 山下康行2

所属機関: 1国立病院機構熊本医療センター放射線科 2熊本大学放射線診断学

ページ範囲:P.1488 - P.1493

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はじめに

 婦人科領域において,被曝を伴うCTの役割は限られている.Multidetector─row CT(MDCT)によって,任意断面が得られるようになったとはいえ,MRIに比較して組織コントラストに劣り,病変の質的診断,広がり診断に用いることもできない.MDCTの婦人科疾患における有用性として挙げられるのは,撮像時間の早さと短時間に広範囲の画像が得られる利点を活かした,広範囲な転移巣の検索,あるいは急性腹症における腹部骨盤の広範囲かつ迅速な検索である.

 1989年にヘリカルCTの臨床応用が発表され,それ以来ヘリカルCTは臨床の場に急速に普及した.さらに1999年,複数の検出器を有するCTスキャナー(multidetector─row CTあるいはマルチスライスCT)の登場によって,CT診断はさらなる発展を遂げた.

 MDCTの基礎と,婦人科疾患への応用と限界について述べ,症例を挙げ解説する.

参考文献

1) 山下康行,楠真一郎 : 内科医に必要なCTとMRIの基礎知識 マルチスライスCTの臨床応用.診断と治療92 : 1474─1482, 2004
2) 佐々木真理 : I─6画質と容積データ.MDCT徹底攻略マニュアル(片田和廣監修,佐々木真理編集).pp44─47,メジカルビュー社,2002
3) 佐藤夏子,山下康行 : CTの誕生からマルチスライスCTへ.極めるマルチスライスCT(山下康行編著).pp1─6,中外医学社,2001
4) Woodward PJ, Hosseinzadeh K, Saenger JS : From the archives of the AFIP : Radiologic staging of ovarian carcinoma with pathologic correlation. RadioGraphics 24 : 225─246, 2004
5) Pannu HK, Bristow RE, Montz FJ, et al : Multidetector CT of peritoneal carcinomatosis from ovarian cancer. RadioGraphics 23 : 687─701, 2003
6) Kuligowska E, Deeds L III, Lu K III :Pelvic pain : Overlooked and underdiagnosed gynecologic conditions. RadioGraphics 25 : 3─20, 2005
7) Bennett GL, Slywotzky CM, Giovanniello G : Gynecologic causes of acute pelvic pain : Spectrum of CT findings. RadioGraphics 22 : 785─801, 2002
8) Sam JW, Jacobs JE, Birnbaum BA : Spectrum of CT findings in acute pyogenic pelvic inflammatory disease. RadioGraphics 22 : 1327─1334, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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