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連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・6
腹式単純子宮全摘術後の合併症・尿管腟瘻とその予防対策
著者: 越山雅文1
所属機関: 1国立病院機構姫路医療センター産婦人科
ページ範囲:P.1518 - P.1521
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患 者 : 50歳代前半の主婦
既往歴 : 特になし.
経 過 : 患者は,約2週間にわたる持続的不正性器出血を訴えて当科外来を受診した.この際,新生児頭大の子宮腫大が認められ,MRIで子宮筋腫と腺筋症の診断を得た.患者との話し合いにて摘出手術をすることとなった.
入院ののち,腹式単純子宮全摘術・両側付属器摘出術が施行された.手術は腰椎麻酔下に行われ,手術時間30分,出血量40 gときわめて良好なものであった.開腹時,子宮全体が新生児頭大に腫大していること,子宮底部右側寄りに鵞卵大の筋腫と後壁のびまん性肥厚(腺筋症),および頸部の左右への肥厚が確認されたが,周囲との癒着などはなかった.術後,血尿などもなく,翌日には膀胱留置バルーンカテーテルも抜去され歩行開始となった.
患 者 : 50歳代前半の主婦
既往歴 : 特になし.
経 過 : 患者は,約2週間にわたる持続的不正性器出血を訴えて当科外来を受診した.この際,新生児頭大の子宮腫大が認められ,MRIで子宮筋腫と腺筋症の診断を得た.患者との話し合いにて摘出手術をすることとなった.
入院ののち,腹式単純子宮全摘術・両側付属器摘出術が施行された.手術は腰椎麻酔下に行われ,手術時間30分,出血量40 gときわめて良好なものであった.開腹時,子宮全体が新生児頭大に腫大していること,子宮底部右側寄りに鵞卵大の筋腫と後壁のびまん性肥厚(腺筋症),および頸部の左右への肥厚が確認されたが,周囲との癒着などはなかった.術後,血尿などもなく,翌日には膀胱留置バルーンカテーテルも抜去され歩行開始となった.
参考文献
1) 樋口壽宏,藤井信吾 : 腹式単純子宮全摘術における術中・術後合併症とその対策.臨婦産59 : 699─701,2005
2) 森 崇英,藤井信吾 : 図解腹式単純子宮全摘術.南江堂,1988
3) Mattingly RF,Thompson JD : Te Linde's Operative Gynecology. 6th ed, Lippincott Williams and Wilkins, 1985
4) 清水 保,森本紀彦,小澤 満 : 広汎性子宮全摘術後21年目に発生せる尿管腟瘻の1例.産婦治療43 : 249─251, 1981
5) 宿輪亮三,小玉敬彦,関 智巳,他 : 広汎性子宮全剔出術後に発生する尿管瘻の臨床的,実験的観察.産婦治療12 : 281─292,1966
6) 中 祐次,土井 浩,原田 卓,他 : 縫合糸による尿管異物結石を合併した尿管腟瘻の1例.泌尿紀要37 : 755─758, 1991
7) 岩佐陽一,西野昭夫,亀田建一 : 自然治癒した尿管腟瘻の1例.泌尿外科16 : 69─72, 2003
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