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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻12号

2005年12月発行

文献概要

今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction

概念と最近の動向

著者: 金井雄二1 天野完1 海野信也1

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科,北里大学病院総合周産母子医療センター

ページ範囲:P.1557 - P.1561

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はじめに

 近年,周産期医学の進歩や超音波断層法の一般臨床への普及により胎児情報がかなり詳細にわかるようになってきた.胎児発育制限(fetal growth restriction : FGR)もその1つで,全出生児のおおよそ4~7%を占め,日常診療において比較的多く遭遇する産科合併症の1つである.また,出生時の体重と周産期死亡率,周産期罹患率および児の長期予後は密接に関係していることが知られている.Manning1)は1,560人のSGA児を対象として出生体重のパーセンタイル値と周産期の死亡率,罹患率の関係を示した.より小さいほどに死亡率,罹患率ともに増加し,特に5パーセンタイル未満であると著明に増加している(図1).FGRの診断,管理は妊婦健診をはじめとする産科臨床の最も重要な項目の1つである.

参考文献

1) Manning FA : Intrauterine growth retardation. In : Manning FA(ed): Fetal Medicine : Principles and Practice. Appleton and Lange, Connecticut, 1995
2) Warkany J, Monroe BB, Sutherland BS : Intrauterine growth retardation.Am J Dis Child 102 : 249─279, 1961
3) 仁志田博司,坂上正道,倉智敬一,他 : 日本人の胎児発育曲線(出生児体格基準曲線).新生児誌20 : 90─97, 1984
4) 会告 : 超音波胎児計測の標準化と基準値の公示について.超音波医学30 : j415─j438, 2003
5) 委員会提案 : 超音波胎児計測の標準化と基準値の公示について.日産婦誌57 : 92─117, 2005
6) Lin CC, Evans MI : Intrauterine Growth Retardation. Mcgraw─Hill, New York, 1984
7) Mamelle N, Cochet V, Claris O : Definition of fetal growth restriction according to constitutional growth potential. Biol Neonate 80 : 277─285, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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