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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻12号

2005年12月発行

文献概要

今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction 病態と臨床経過

臍帯因子によるFGR

著者: 宇津正二1

所属機関: 1聖隷三方原病院産婦人科

ページ範囲:P.1582 - P.1585

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はじめに

 子宮内での胎児養育環境を悪化させ,FGR(fetal growth restriction)を発症させる要因を図1に列挙したが,母体要因,胎児要因,胎盤要因については本誌の他稿に詳しく記述されているので,本稿では臍帯の異常に基づく臍帯要因が原因と考えられるFGRについてその病態と臨床経過について述べる.

 臍帯の異常は表1に示すような,長さや太さの異常,位置や付着部の異常,巻絡や捻転,結節,炎症など多彩な臍帯異常があるが,これらの臍帯異常がすべて胎児異常を呈するわけではない.さらに,長さ,太さ,捻転,付着部異常など,どの異常も明確な定義はないが,結果的に娩出時の胎児異常の存在と臍帯の肉眼所見とから評価しているのが現状である.

 子宮内胎児発育制限(FGR)からときには子宮内胎児死亡(IUFD)にまで至るような臍帯異常と臍帯血流障害,胎児循環障害発症のモデルとして,病的な臍帯過捻転例,臍帯の卵膜付着例について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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