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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻12号

2005年12月発行

文献概要

連載 座談会

低用量経口避妊剤発売から6年を経過して

著者: 麻生武志1 蓮尾豊2 近藤栄3 北村邦夫4

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院生殖機能協関学 2弘前レディスクリニックはすお 3池袋クリニック 4社団法人日本家族計画協会

ページ範囲:P.1643 - P.1653

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北村 本日は,東京医科歯科大学の麻生武志教授,そして私の知る限りにおいては,おそらくわが国で最も多く低用量経口避妊剤(OC)を処方していると推測される弘前レディスクリニックはすおの蓮尾先生,またその次に多いだろうと思われます池袋クリニックからコメディカルの立場と,OC服用経験者という2つの立場を兼ねて,近藤さんにおいでいただきました.「低用量経口避妊剤発売から6年を経過して」というテーマに沿って,お話をうかがっていきたいと思います.

低い服用率の原因は何か

 北村 実は厚生労働科学研究班を担当していて,2002年と2004年に日本人の性意識・性行動についての調査1)を行いました.その結果から得た日本のOC服用者は,2002年では1.6%,2004年は1.9%となっています.2004年の生殖可能年齢(15~49歳)の女性の人口をかけてみますと,約54万人の女性がOCを服用しているということになります.また驚いたことに,そのうちの58%の女性は避妊以外の利点を期待してOCを使っているのです.

参考文献

1) 平成16年度厚生労働科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)研究 :「第2回男女の生活と意識に関する調査報告書─性に関する知識・意識・行動について─」.(社)日本家族計画協会,2005年7月
2) OC情報センター :「低用量ピルに関する意識調査(2005年度版)」http : //pill─ocic.net/koe/2005.html
3) World Health Organization(WHO): Medical eligibility criteria for contraceptive use. Geneva, Switzerland, WHO, 2004
4) Farrow A, Hull MG, Northstone K, et al : Prolonged use of oral contraception before a planned pregnancy is associated with a decreased risk of delayed conception. Human Reproduction 17 : 2754─2761, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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