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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻2号

2005年02月発行

今月の臨床 症例から学ぶ常位胎盤早期剥離

早剥管理の新しい視点

新生児の管理と予後

著者: 高橋秀弘1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター小児科

ページ範囲:P.198 - P.203

文献概要

はじめに

 常位胎盤早期剥離(以下,早剥)は,突然起こり,母児ともに危険に陥りやすい状態で,母体死亡率は約1~2%,児死亡率は約20~50%といわれている1).病因は未だ完全には解明されていないが,危険因子として,早剥の既往,妊娠中毒症など高血圧,絨毛羊膜炎,前期破水,外傷,子宮筋腫,子宮内胎児発育遅延,多産,喫煙,アルコールやコカインなどの薬物などがいわれているが2),早剥の合併頻度は高くはないので事前に早剥の発症を予測することは現在のところ困難である.

 われわれ小児科医は,産婦人科医から「早剥かもしれない母体の搬送依頼があったが受け入れてもいいか?」と相談を受けた場合,もし早剥であれば,母体および胎児のために一刻も早く帝王切開をしたほうがいい場合がほとんどなので,病棟の状況にかかわらず緊急搬送の受け入れを原則としている.迅速な母体搬送の受け入れが困難な場合は,依頼のあった施設に小児科医が分娩立ち会いに出かけ,すぐ児を出していただいたほうが母児とも安全な場合もあるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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