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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻2号

2005年02月発行

文献概要

連載 OBSTETRIC NEWS

妊娠中の外来受診回数

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.227 - P.229

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分娩前外来受診の平均的回数は国によって大きな違いがある(4~16回).米国の1千万人以上の妊婦を対象としたデータでは,最低1回でも分娩前に外来を受診すれば周産期転帰不良を最高56%減少させることができるという(AJOG 184 : S166, 2001).しかし,分娩前外来受診回数を4回未満にすると産科転帰が不良になることが示唆されている(Am J Public Health 86 : 815, 1996).ロウリスク妊婦では,従来からの標準的分娩前外来受診回数より少ない受診回数でかなり好結果が期待できることを示唆する研究が多数ある(JAMA 275 : 1996/J Reprod Med 40 : 507, 1995/BMJ 312 : 546, 1996).

 Alexら(テキサス)は,MEDLINEを使って分娩前管理が妊娠転帰を改善するという従来からの見解を支持する証拠を検討するために,1965年から2002年までの英語の文献を検索した.特にロウリスク妊婦の分娩前外来受診回数を増加させても母子転帰は改善しないという証拠が多数あることが確認された.むしろ,より多数の外来受診回数は好ましくない転帰と関連があることを示唆する研究もある(Paediatr Perinat Epidemiol 11 : 271, 1997).もし分娩前外来受診回数の4回以下と16回の有効性が同じなら,分娩前検査回数が母児を守るうえで最重要なことなのではない可能性があると報告している(Alex C, et al. J Reprod Med 48 : 837, 2003).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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