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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻3号

2005年03月発行

文献概要

今月の臨床 安全な腹腔鏡下手術をめざして 安全性と予後に配慮した手術手技

多嚢胞性卵巣症候群の腹腔鏡下手術

著者: 菅沼信彦1 吉田憲生1 若原靖典1

所属機関: 1豊橋市民病院不妊センター

ページ範囲:P.288 - P.291

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多嚢胞性卵巣症候群の定義・病因・診断


 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は,「両側卵巣は腫大・肥厚・多嚢胞化し,月経異常や不妊に多毛・男性化・肥満などをともなう症候群」(「産科婦人科用語解説集」日本産科婦人科学会編)と定義され,その病因は視床下部─下垂体─卵巣系の内分泌変化による機能障害と考えられているが,発症の原因は不明である.PCOSの特徴的臨床症状は,月経異常,多毛,肥満であり,これらの症状はアンドロゲン産生過剰ならびに高アンドロゲン血症に起因するものと推測される.


 1935年,SteinとLeventhalにより当疾患が報告1)されて以来,その病態に関して数多くの臨床研究がなされてきている.わが国においても大規模調査が,1985~1991年に日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会によって施行され,本邦婦人におけるPCOSの実態が明らかとなった2).その結果,日本人のPCOSでは欧米人に比べ特に多毛や肥満などの男性化症状の出現頻度が低く,また血中アンドロゲンも低値であることが明らかとなった.そこで,わが国におけるPCOSの診断基準が作成された(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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