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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻3号

2005年03月発行

今月の臨床 安全な腹腔鏡下手術をめざして

腹腔鏡下手術合併症の予防と対策

腸管,腸間膜の損傷

著者: 藤井俊策1 木村秀崇1

所属機関: 1弘前大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.332 - P.337

文献概要

はじめに


 2004年に内視鏡外科学会,産科婦人科内視鏡学会,ならびにEndourology・EDWL学会会員を対象に行われた内視鏡外科手術に関するアンケート調査1)によれば,産婦人科領域の腹腔鏡下手術における他臓器損傷の発生率は0.25%(203/79,330件),400件に1件の頻度である.これには,尿管損傷など腸管以外の損傷も含まれている.海外の文献を集計したレビュー2)では,腸管損傷は産婦人科領域で0.1%(135/132,610件),腸管穿孔は外科領域を含めて0.22%(66/29,532件)の頻度と報告されている.診断的腹腔鏡であっても,0.07%(34/46,890件)の頻度で腸管損傷が発生している.また,腸管損傷例の死亡率は3.6%(16/450例)であり,前述のアンケート調査でも消化管穿孔で死亡した子宮筋腫症例が報告されている.


 このように,腸管損傷は決して稀ではなく,死に至ることもある重篤な合併症であることを認識する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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