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今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 1.日常的な突発疾患の治療と注意点
[消化器系疾患] 口内炎,アフタ
著者: 前田岳史1 植田充治1
所属機関: 1聖バルナバ病院産婦人科
ページ範囲:P.430 - P.431
文献購入ページに移動口腔粘膜に発生する炎症はすべて口内炎と呼ばれており,その原因にはきわめて多くのものが含まれている.口腔は食物を咀嚼し,消化する器官であると同時に,気道の一部を形成しているので,大気中の病原微生物などが侵入し,口腔内にさまざまな感染症が発生する機会にさらされている.また口腔内にはすでに多くの細菌が常在しており,全身の免疫力の低下などにより病原菌となり,口腔内感染症を引き起こすことがある.さらに口腔だけに発生する病変以外にも,全身の病気の一部として口腔内に発生する病変や皮膚の病気と関連する口腔疾患などがあり,状態によりこれらを鑑別して治療することが必要となる.
原因はさまざまで,(1)ウイルス性口内炎 : ウイルスの感染によって引き起こされるもので,単純ヘルペスによるものが多い,(2)カンジダ性 : 真菌感染(カンジダ)の感染により発生するもの,(3)性行為感染症によるもの : 梅毒,淋菌,クラミジアなどの感染が口腔に発生した場合,(4)そのほか(糖尿病,帯状疱疹,アレルギーなど全身疾患に伴うもの),(5)化学物質,薬剤によるもの,などにより発症する.
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