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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 1.日常的な突発疾患の治療と注意点

[消化器系疾患] 下痢,食中毒

著者: 永田智子1 春木篤1

所属機関: 1横浜市立大学市民総合医療センター母子医療センター

ページ範囲:P.440 - P.441

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1 診療の概要1)

 一般に下痢とは,糞便内の水分量が多くなり,糞便が本来の固形状の形を失って,水様ないし粥状となった状態をいい,通常,排便回数の増加を伴う.下痢は急性の経過をとる急性下痢と,長期にわたって持続する慢性下痢に分けられ,感染性下痢,中毒性下痢や心因性下痢は急性下痢に含まれる.一方,慢性下痢とは水分含有量の多い便が1日に3回以上排泄される状態が持続的または間欠的に少なくとも3か月以上認められる状態を指す.

 下痢の発生にかかわる因子として,(1)腸管内腔の浸透圧の上昇(浸透圧性下痢),(2)消化管分泌の亢進(分泌性下痢),(3)消化管運動の異常などが挙げられるが,妊婦に特異的な下痢の好発因子は特にない.しかし,下痢が頻回の子宮収縮に随伴していることも多く,下痢を主症状として来院した妊婦でも,切迫流早産や常位胎盤早期剥離も鑑別診断として念頭に置く必要がある.

参考文献

1) 消化管疾患の診断.内科診断学.第8版,pp411─415,金芳堂,1997
2) 相楽裕子 : 食中毒.内科学.第7版,pp356─359,朝倉書店,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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