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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識

Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 1.日常的な突発疾患の治療と注意点

[皮膚疾患,感染症] 妊娠線

著者: 加藤さき子1 畑三恵子1

所属機関: 1髙野医科クリニック皮膚科

ページ範囲:P.450 - P.451

文献概要

1 診療の概要

 妊娠線は妊娠による結合織の生理的変化である.妊娠中は母体の脳下垂体,甲状腺,副腎などのホルモン活性の上昇をはじめ,代謝・自律神経系の経時的な動的変化や,胎児胎盤を通じての種々のホルモンの産生により,母体は妊娠期に特徴的な生理的変化を生ずる.

 母体の機能変化は皮膚にもさまざまな変化をもたらすが,以下の3つに分けられる.すなわち,(1)生理的な皮膚変化(表1),(2)妊娠に特異的な皮膚疾患,(3)妊娠により悪化または軽快する皮膚疾患,である.妊娠線は(1)に含まれ,妊娠中の皮膚の美容的なトラブルでは最も多いものの1つである.妊娠線は,早くは妊娠6か月より,一般的には妊娠8か月頃より生じ,腹部,臀部,大腿部,乳房などにみられる.90%近くの妊婦に出現するともいわれる.

参考文献

1) Kroumpouzos G, Cohen LM : Dermatoses of pregnancy. J AM Acad Dermtlogy 45 : 1─19, 2001
2) 辻 卓夫 : 線条皮膚萎縮症.最新皮膚科学大系,10巻.pp171─173,中山書店,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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