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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点

[呼吸器系疾患] 肺結核

著者: 豊田恵美子1 箕浦茂樹2

所属機関: 1国立国際医療センター呼吸器科 2国立国際医療センター産婦人科

ページ範囲:P.522 - P.523

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1 診療の概要

 結核はヒト型結核菌により起こる肉芽腫性炎症であるが,人から人へ空気中に放出され,浮遊する飛沫核を吸入することで感染伝播する.感染力はおおむね30%,潜伏期は不定で,発病率10~20%の慢性感染症である.気道末梢の肺胞・肺胞道レベルで感染が成立すると,多くの場合,菌は死滅することなく静止菌として長期間(おそらく一生)体内にとどまり,細胞性免疫との均衡が破れると発症・進展し,気道に破れ,感染源となるサイクルを繰り返している.

 現在世界では約1/3の人が感染しており,800万人が発病し,感染症の死因の第1位である.結核患者の多くは発展途上国に遍在するが,日本は年間発病が人口10万対24.8で,欧米先進国10以下と比べると中進国レベルである.結核は人口密度が高い大都市に集中しやすい.

参考文献

1) 豊田恵美子,箕浦茂樹,宮澤廣文 : 妊娠・分娩に関連する活動性結核の治療および取り扱いについての検討.結核77 : 703─708, 2002
2) ATS/CDC : Treatment of tuberculosis. Am J Respir Crit Care Med 167 : 603─662, 2003
3) Ormerod P : Tuberculosis in pregnancy and the puerperium. Thorax 56 : 494─499, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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