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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点

[消化器系疾患] ウイルス性肝炎(A型,B型,C型)

著者: 香川秀之1

所属機関: 1関東労災病院産婦人科

ページ範囲:P.557 - P.559

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1 診療の概要

 妊娠とウイルス性肝炎との関連で薬物治療が問題になるのは,(1)妊娠中に肝炎ウイルスに感染し,急性肝炎を発症した場合の治療,(2)慢性肝炎合併妊婦の治療,(3)キャリア妊婦からの母子感染(垂直感染)の防止の3点である.

1. A型肝炎

 A型肝炎ウイルス(HAV)による急性肝炎で,主な感染経路は,糞便や食物を介する経口感染である.潜伏期間は2~7週間で,大半のケースは発症後約1か月程度で治癒し,稀に劇症化することもあるが,慢性化することはない.母子感染は通常認められない.

参考文献

1) B型肝炎母子感染防止対策の手引き.厚生省心身障害研究「ウイルス性肝疾患の母子感染防止に関する研究」.1995
2) 渡辺 博,稲葉憲之 : ウイルス性肝炎に対する薬物療法の基本的考え方.周産期医学33 : 318─319, 2003
3) 小島俊行,川名 尚 : HCV抗体陽性妊婦の取り扱い.日産婦誌49 : N159─N162, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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