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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点

[腎・泌尿器系疾患] 尿路結石

著者: 廣瀬雅哉1

所属機関: 1大津赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.564 - P.565

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1 診療の概要

 尿路結石(urinary calculi,urolithiasis)とは尿路にできた固形物の総称で,部位により腎結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石などに分けられる.これらの結石は多くの結晶と少量の有機物から成り,主成分によりカルシウム結石〔シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウム(アパタイト)〕,尿酸結石,シスチン結石などと呼び,これらを代謝結石とも呼ぶ.また,リン酸マグネシウムアンモニウムやカーボネートアパタイトは感染と密接な関係があり,感染結石と呼ばれる1).尿路結石は上部尿路(腎,尿管)に多くみられ(下部尿路の約20倍),男性に多く,青壮年層を中心に幅広くみられる.

 一般的な結石形成の要因としては尿路停滞,尿濃縮などが挙げられるが,結晶成分ごとにそれぞれ異なる成因が存在する.尿路結石の診断は疼痛と血尿の症状で尿路結石を疑い,検尿,画像診断にて確定する.尿管結石が嵌頓するときわめて激しい疝痛発作,鈍痛がみられる.

参考文献

1) 吉田 修,竹内秀雄 : 尿路結石症,最新内科学大系第57巻─尿細管・間質・尿路疾患(井村裕夫,他編),pp247─261,中山書店,東京,1995
2) Biyani CS, Joyce AD : Urolithiasis in pregnancy. II : management. BJU Int 89 : 819─823, 2002
3) Biyani CS, Joyce AD : Urolithiasis in pregnancy. I : pathophysiology, fetal considerations and diagnosis. BJU Int 89 : 811─818, 2002
4) Briggs GG, Freeman RK, Yaffe SJ : Drugs in Pregnancy and Lactation. 6 th ed, Lippincott Williams&Wilkins, Philadelphia, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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