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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点

[血液・自己免疫疾患] 慢性関節リウマチ

著者: 由良茂夫1 伊東宏晃1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科器官外科学(婦人科学産科学)

ページ範囲:P.580 - P.581

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1 診療の概要

 慢性関節リウマチ(RA)は末梢関節の滑膜炎を主体とする自己免疫疾患である.小関節が対称性に腫脹し,徐々に関節の破壊,変形が進行する.全身の結合組織に炎症が及ぶと皮下結節,間質性肺炎,胸膜炎,上強膜炎を引き起こし,稀に全身の血管炎を呈する.妊娠中には症状が軽快するが,逆に産褥期には悪化することが多い.

 2 治療方針

 RAによる炎症が妊娠に与える影響は少なく,流早産や胎児発育障害のリスクは通常問題とならない.ただし,リウマチを合併し,初回妊娠時に妊娠中毒症や早産,低出生体重児の出産などを経験した妊婦では,次回の妊娠時にもこれらの異常を合併する頻度が有意に高いと報告されており1),慎重な妊娠経過の観察が必要である.一方,RAに対する治療については,治療薬の増量を必要とすることは少ないが,治療薬の催奇形性などが問題となる.出産後には症状の増悪を認めることがあり,ステロイド増量や抗リウマチ薬,免疫抑制薬の使用が必要となることもある.

参考文献

1) Skomsvoll JF, Baste V, Irgens LM, et al : The recurrence risk of adverse outcome in the second pregnancy in women with rheumatic disease 1. Obstet Gynecol 100 : 1196─1202, 2002
2) Harris EN : Antirheumatic drugs in pregnancy. Lupus 11 : 683─689, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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