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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点

[血液・自己免疫疾患] 抗リン脂質抗体症候群

著者: 青木耕治1

所属機関: 1名古屋市立城西病院産婦人科

ページ範囲:P.583 - P.585

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1 診療の概要

 1980年代中頃に,細胞膜の重要な構成成分としてのリン脂質に対する自己抗体の存在とその測定法の原理が発見された.1986年,この抗リン脂質抗体陽性例における一連の臨床特徴が注目され,これらの疾患群を「抗リン脂質抗体(aPL)症候群」と呼ぶことが提唱された.現在,世界的に認知されている.aPL症候群の主な臨床所見は,血栓症と不育症である.産婦人科領域におけるaPL症候群としては,不育症以外に原因不明不妊症,子宮内胎児発育遅延,早期発症重症妊娠中毒症,胎盤早期剥離などが報告されている.SLEなどの自己免疫疾患を合併したaPL症候群を続発性aPL症候群として,それ以外の原発性aPL症候群と区別されている.

 2 抗リン脂質抗体陽性の診断検査

 現在までに,数多く(10種類以上)のaPLの存在が報告されているが,現時点で臨床的にaPL検査をするならば,表1に示したように,まずレベル1として,希釈ラッセル蛇毒時間法(dRVVT)によるループスアンチコアグラント(LAC)と抗カルジオリピン抗体(aCL)の検査を提案する.その理由として,この2つの抗体は世界的にみて最も基本的な抗体であり,最も多くの研究報告がなされており,疾患感受性が高く,保険の適用になっているからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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