文献詳細
今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 2.妊娠合併症の治療と注意点
文献概要
1 診療の概要
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)はmethicillin─resistant staphylococcus aureusの頭文字を取った名称で,現在,院内感染を起こす代表菌種である.通常,臨床材料から分離された黄色ブドウ球菌の多くはペニシリナーゼという酵素を産生するが,ペニシリナーゼを産生する黄色ブドウ球菌はペニシリン系薬を不活化することによりこれらの抗菌薬に耐性となる.メチシリン(DMPPC)やイソキサゾリル系のペニシリン系薬はペニシリナーゼに安定で加水分解されず,抗黄色ブドウ球菌用のペニシリン系薬として使用されてきた.しかし,1961年にβ─ラクタム薬の作用点であるペニシリン結合蛋白(PBPs)のなかにメチシリンをはじめ多くのβ─ラクタム薬が結合しにくいPBP2′が新生したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌,つまりMRSAが報告され,以後,世界各国で分離されるようになった.
このMRSAは,Mec遺伝子を有し,多くのペニシリン系やセフェム系薬およびアミノ配糖体系などに多剤耐性を示す.また,かなりの株がtoxic shock syndrome toxin─1(TSST─1)やエンテロトキシン(A─D型)を産生し,予後に大きく影響する1).
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)はmethicillin─resistant staphylococcus aureusの頭文字を取った名称で,現在,院内感染を起こす代表菌種である.通常,臨床材料から分離された黄色ブドウ球菌の多くはペニシリナーゼという酵素を産生するが,ペニシリナーゼを産生する黄色ブドウ球菌はペニシリン系薬を不活化することによりこれらの抗菌薬に耐性となる.メチシリン(DMPPC)やイソキサゾリル系のペニシリン系薬はペニシリナーゼに安定で加水分解されず,抗黄色ブドウ球菌用のペニシリン系薬として使用されてきた.しかし,1961年にβ─ラクタム薬の作用点であるペニシリン結合蛋白(PBPs)のなかにメチシリンをはじめ多くのβ─ラクタム薬が結合しにくいPBP2′が新生したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌,つまりMRSAが報告され,以後,世界各国で分離されるようになった.
このMRSAは,Mec遺伝子を有し,多くのペニシリン系やセフェム系薬およびアミノ配糖体系などに多剤耐性を示す.また,かなりの株がtoxic shock syndrome toxin─1(TSST─1)やエンテロトキシン(A─D型)を産生し,予後に大きく影響する1).
参考文献
1) 渡辺 彰 : MRSA感染症,感染症の診断,治療ガイドライン2004.日医会誌132 : 304─307, 2004
2) 松田静治 : 耐性菌感染の取り扱い.日産婦誌51 : N─215─218, 1999
3) 今中基晴 : 周産期とMRSA感染症.産科と婦人科67 : 1502─1507, 2000
掲載誌情報