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今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 3.STDの治療と注意点
カンジダ腟・外陰炎
著者: 関博之1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
ページ範囲:P.607 - P.609
文献購入ページに移動1 診療の概要
腟・外陰炎は,産婦人科領域の感染症のなかでしばしば遭遇する疾患であり,そのなかで最も頻度の高いものがカンジダ腟・外陰炎である.本来,真菌は腟内の常在菌叢の1つで,真菌が存在するからといって必ずしも病的とはいえない.実際にカンジダは非妊婦の約10%,妊婦の約20%に検出される1).もともとその病原性は低く,宿主側の抵抗力の減弱(重症疾患,悪性腫瘍,術後など)や薬物使用時(抗生物質,副腎皮質ホルモン,卵胞ホルモンなど),妊娠時にしばしば発症する日和見感染の性格が強い.その臨床症状は特徴的な帯下と掻痒感で(表1),問診,視診,腟鏡診,鏡検法,培養法,細胞診などにより診断される(表2).腟・外陰カンジダ症を起こす真菌には,Candida albicans(80~90%),Candida glabrata(10%),Candida tropicalisがあるが,Candida albicansが代表的である.これら菌種間に感染性や病原性の相違はほとんどないと考えられている.Candida glabrataは非適合環境に対する適応性や耐久性が強いため,ほかの2種と比べ近年増加傾向にある.
2 治療方針
治療の原則は抗真菌薬の投与と発症因子の除去である(表3)2).抗真菌薬にはpolyene系とimidazole系があり(表4),polyene系腟坐薬は12~14日間,imidazole系腟坐薬は6~7日間の投与を1クールとする.両者における1次効果には差がないが,長期的にみるとimidazole系のほうが有効であるとの報告がある3).
腟・外陰炎は,産婦人科領域の感染症のなかでしばしば遭遇する疾患であり,そのなかで最も頻度の高いものがカンジダ腟・外陰炎である.本来,真菌は腟内の常在菌叢の1つで,真菌が存在するからといって必ずしも病的とはいえない.実際にカンジダは非妊婦の約10%,妊婦の約20%に検出される1).もともとその病原性は低く,宿主側の抵抗力の減弱(重症疾患,悪性腫瘍,術後など)や薬物使用時(抗生物質,副腎皮質ホルモン,卵胞ホルモンなど),妊娠時にしばしば発症する日和見感染の性格が強い.その臨床症状は特徴的な帯下と掻痒感で(表1),問診,視診,腟鏡診,鏡検法,培養法,細胞診などにより診断される(表2).腟・外陰カンジダ症を起こす真菌には,Candida albicans(80~90%),Candida glabrata(10%),Candida tropicalisがあるが,Candida albicansが代表的である.これら菌種間に感染性や病原性の相違はほとんどないと考えられている.Candida glabrataは非適合環境に対する適応性や耐久性が強いため,ほかの2種と比べ近年増加傾向にある.
2 治療方針
治療の原則は抗真菌薬の投与と発症因子の除去である(表3)2).抗真菌薬にはpolyene系とimidazole系があり(表4),polyene系腟坐薬は12~14日間,imidazole系腟坐薬は6~7日間の投与を1クールとする.両者における1次効果には差がないが,長期的にみるとimidazole系のほうが有効であるとの報告がある3).
参考文献
1) 木村好秀 : 新生児の真菌感染症の臨床.日本新生児学会誌16 : 92─99, 1980
2) 渡辺孝紀 : カンジダ感染症─腟外陰カンジダ症を中心に.産科と婦人科67 : 1451─1454, 2000
3) 久保田武美 : 治療抵抗性外陰腟真菌症.JPN J Med Mycol 39 : 213─218, 1998
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