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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 3.STDの治療と注意点

梅毒

著者: 加納武夫1

所属機関: 1産婦人科加納病院

ページ範囲:P.618 - P.619

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1 診療の概要

 梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum : T.p.)の感染によって起こる慢性の全身性の性感染症である.感染経路は主に性行為または類似の行為により,皮膚や粘膜の弱いところや小さな傷からT.p. が侵入する.症状のある顕性梅毒と無症候性梅毒に分かれるが,実際の臨床の現場では,妊婦検診,術前検査,献血時,風俗嬢などの性病検査などで行われる血液検査で偶然発見されることが多い.梅毒に感染した母体から経胎盤的に児が感染したものを先天梅毒と呼び,それ以外を後天梅毒と呼ぶ.

 梅毒血清反応には,カルジオリピン(リン脂質)を抗原とするSTS法(serologic test for syphilis)としてガラス板法,RPR法などがある.STSは感染後3~4週間で陽性となるが,検出に用いる抗体はT.p. に特異的でなく,妊娠,種々の感染症,膠原病などで陽性となることがある.これを生物学的偽陽性(biological false positive : BFP)と呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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