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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識

Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 3.STDの治療と注意点

淋菌

著者: 加納武夫1

所属機関: 1産婦人科加納病院

ページ範囲:P.620 - P.621

文献概要

1 診療の概要

 淋菌感染症は,若い女性の性感染症のなかではクラミジアに次いで多い疾患である.女性の淋菌感染症は,淋菌(Neisseria gonorrhoeae)感染者との性行為により,まず子宮頸管に感染病巣が発生し,子宮頸管炎となる.頸管炎の主症状は膿性帯下(3~4人に1人が自覚)であるが,無症候性の場合が多い.無治療で放置されると子宮内膜,卵管,骨盤腹膜へと感染が拡大(上行感染)していき,長期に及べば不妊症や子宮外妊娠の原因となりうる.

 感染後間もない保菌者(頸管炎)が妊娠した場合,通常は妊娠中に淋菌検査がされることはないため,無治療のまま妊娠が経過していく.この際,稀に絨毛膜羊膜炎による流早産,IUGRなどを起こすことがある.無治療の母体より新生児が産道感染を受けると,生後2~4日目に結膜炎を発症する.その特徴は多量の黄色膿性眼脂と結膜の充血である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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