文献詳細
今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 4.妊娠・出産にかかわる疾患の治療と注意点
文献概要
1 診療の概要
陣痛に関しては,日本産科婦人科学会の陣痛の強さの表現法小委員会において議論された経緯があり,陣痛の強さは子宮内圧によって表現すると結論付けられている.一方,破水後でなければ測定できない子宮内圧を臨床的に用いるのは必ずしも適当とはいえないことも多く,同小委員会では,陣痛の強さを陣痛周期と陣痛発作持続時間とをもって表現することを臨床的に認めるとしており,これを用いた定義を示している(表1,2,3).しかし,この定義は,正常と思われる陣痛の推計学的処理によって定められたものであり,微弱あるいは過強陣痛がどのような障害を起こすかについての検討は臨床的に困難であったと付記されている.したがって,微弱陣痛とは,これらの要素の減弱を持って診断されるが,前述のような経緯を考えると,狭骨盤や回旋異常などがないにもかかわらず,分娩進行障害が生じている場合において,臨床的に診断されるべきものであると考えられよう.
微弱陣痛は,原発性と続発性に分類されることが多い.前者は,多胎妊娠や巨大児,羊水過多などによる子宮筋の過伸展のほか,子宮筋腫なども原因と考えられている.一方,続発性微弱陣痛には,産道の異常や回旋異常などによる分娩進行障害によって疲労性に生じるものが多い.
陣痛に関しては,日本産科婦人科学会の陣痛の強さの表現法小委員会において議論された経緯があり,陣痛の強さは子宮内圧によって表現すると結論付けられている.一方,破水後でなければ測定できない子宮内圧を臨床的に用いるのは必ずしも適当とはいえないことも多く,同小委員会では,陣痛の強さを陣痛周期と陣痛発作持続時間とをもって表現することを臨床的に認めるとしており,これを用いた定義を示している(表1,2,3).しかし,この定義は,正常と思われる陣痛の推計学的処理によって定められたものであり,微弱あるいは過強陣痛がどのような障害を起こすかについての検討は臨床的に困難であったと付記されている.したがって,微弱陣痛とは,これらの要素の減弱を持って診断されるが,前述のような経緯を考えると,狭骨盤や回旋異常などがないにもかかわらず,分娩進行障害が生じている場合において,臨床的に診断されるべきものであると考えられよう.
微弱陣痛は,原発性と続発性に分類されることが多い.前者は,多胎妊娠や巨大児,羊水過多などによる子宮筋の過伸展のほか,子宮筋腫なども原因と考えられている.一方,続発性微弱陣痛には,産道の異常や回旋異常などによる分娩進行障害によって疲労性に生じるものが多い.
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