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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識

Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 4.妊娠・出産にかかわる疾患の治療と注意点

[妊娠・分娩] 過強陣痛

著者: 中井祐一郎1 山枡誠一1 橘大介1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科生殖発生発育病態学

ページ範囲:P.638 - P.639

文献概要

1 診療の概要

 過強陣痛については,別項で述べた微弱陣痛と同様に子宮内圧と陣痛周期による定義があるものの,これを数値として絶対的に利用することには,この定義の付記に記されたように問題があることはいうまでもない.一般的には,陣痛が強大となったりその間欠が異常に短縮することによって胎児の低酸素症が出現したり,あるいは切迫子宮破裂や頸管裂傷など重大な母体損傷が生じ得るような状態と考えるべきである.

 一般的に,その原因としては陣痛誘発・促進時における薬剤性のものが問題となることが多い.しかし,妊娠末期にもかかわらず比較的未熟な時期にcardiotocogramを施行した場合(いわゆるnon─stress testとして)に,5~7分以上も持続するような異常に持続の長い子宮収縮がみられることがあり,late deceleration様に胎児心拍数の低下がみられ,取り扱いに苦慮することがある.これも一種の過強陣痛と考えることができよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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