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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 4.妊娠・出産にかかわる疾患の治療と注意点

[産褥] 子宮復古不全

著者: 菊地信三1 天野完1

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.648 - P.649

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1 診療の概要

 分娩終了後,増大した妊娠子宮が非妊娠時の状態に復する現象が子宮復古で,3~4週間で非妊娠時の大きさとなり,胎盤が剥離した子宮内膜面が機能的に修復するには6~8週を要する.子宮復古不全は,産褥の子宮復古が障害された状態で,子宮は大きく,軟らかで,出血が持続する.胎盤片や卵膜遺残,子宮内感染,筋腫合併,多産婦などが原因となり,子宮壁の過伸展,産褥の不摂生,非授乳,膀胱直腸の充満,内分泌異常,創傷治癒機転障害などが復古不全を助長する.

 診断は,子宮が産褥日数に比べ大きく柔軟で,悪露は持続し,比較的多量の出血をみるといった臨床所見による.胎盤片が長期間子宮内に残存すると組織化し胎盤ポリープが形成され,長期にわたる出血の原因となり,ときに大出血をきたす.子宮腔内の凝血塊や胎盤,卵膜遺残の確認に超音波断層法が有用であり,胎盤ポリープの診断にはsonohysterographyが有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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