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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 4.妊娠・出産にかかわる疾患の治療と注意点

[産褥] 産褥熱

著者: 鴨下詠美1 天野完1

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.651 - P.653

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1 診療の概要

 産褥熱とは,分娩終了24時間以降,産褥10日以内に,2日以上,38℃以上の発熱が持続する場合と定義されている(日産婦用語集).感染が分娩により生じた損傷部位に限局した限局性産褥熱と,敗血症のように感染が拡大した重篤な全身性産褥熱に大別される.産褥期の乳腺炎,腎盂腎炎などの偶発疾患による感染,発熱との鑑別が不可能なことも多い.

 敗血症をきたすと,エンドトキシン,エキソトキシンなどの毒素はショックやDICを引き起こし,多量のサイトカインが産生,放出され,全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome : SIRS)から多臓器不全に陥り高率に死の転帰をとる(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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