文献詳細
文献概要
今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識 Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療 4.妊娠・出産にかかわる疾患の治療と注意点
[産褥] 産褥熱
著者: 鴨下詠美1 天野完1
所属機関: 1北里大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.651 - P.653
文献購入ページに移動産褥熱とは,分娩終了24時間以降,産褥10日以内に,2日以上,38℃以上の発熱が持続する場合と定義されている(日産婦用語集).感染が分娩により生じた損傷部位に限局した限局性産褥熱と,敗血症のように感染が拡大した重篤な全身性産褥熱に大別される.産褥期の乳腺炎,腎盂腎炎などの偶発疾患による感染,発熱との鑑別が不可能なことも多い.
敗血症をきたすと,エンドトキシン,エキソトキシンなどの毒素はショックやDICを引き起こし,多量のサイトカインが産生,放出され,全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome : SIRS)から多臓器不全に陥り高率に死の転帰をとる(図1).
掲載誌情報