文献詳細
今月の臨床 安全な婦人科手術をめざして
子宮の手術
文献概要
はじめに
近年,女性の社会進出は目覚ましく,晩婚化が進むにつれて生殖機能を温存するための治療が求められる状況が増えてきた.特に子宮筋腫は,女性における骨盤内新生物のなかで最も診療中に遭遇することの多い疾患であり,20~25%の婦人に発生するとされる.症状は筋腫の大きさや発生部位によりさまざまで,患者の背景などを考慮し治療が選択されるが,月経困難症や不妊などを伴う場合,機能を温存するための手術が選択される.特に昨今,不妊領域においては子宮筋腫治療に対する意識が高まり,子宮筋腫核出術が妊娠率を改善するかどうかの論議が交わされている状況にある.今後ますます,子宮筋腫核出術を選択するケースが増えてくるであろう.
子宮筋腫核出術は従来腹式で行われてきたが,内視鏡下手術の進歩,普及により粘膜下筋腫に対しては子宮鏡下手術が,漿膜下および筋層内筋腫に対しては腹腔鏡下手術が行われるようになってきた.患者側からすれば非侵襲的でありメリットの多い術式であるが,その反面,開腹手術とは異なり盲目的な操作が多いことや,複雑かつ特殊な手術器具を操作することにより特有な合併症を引き起こすことも多いのが現状である.
本稿では,子宮筋腫核出術を安全に行うために,それぞれの術式における特有な合併症とその対策に関して述べる.
近年,女性の社会進出は目覚ましく,晩婚化が進むにつれて生殖機能を温存するための治療が求められる状況が増えてきた.特に子宮筋腫は,女性における骨盤内新生物のなかで最も診療中に遭遇することの多い疾患であり,20~25%の婦人に発生するとされる.症状は筋腫の大きさや発生部位によりさまざまで,患者の背景などを考慮し治療が選択されるが,月経困難症や不妊などを伴う場合,機能を温存するための手術が選択される.特に昨今,不妊領域においては子宮筋腫治療に対する意識が高まり,子宮筋腫核出術が妊娠率を改善するかどうかの論議が交わされている状況にある.今後ますます,子宮筋腫核出術を選択するケースが増えてくるであろう.
子宮筋腫核出術は従来腹式で行われてきたが,内視鏡下手術の進歩,普及により粘膜下筋腫に対しては子宮鏡下手術が,漿膜下および筋層内筋腫に対しては腹腔鏡下手術が行われるようになってきた.患者側からすれば非侵襲的でありメリットの多い術式であるが,その反面,開腹手術とは異なり盲目的な操作が多いことや,複雑かつ特殊な手術器具を操作することにより特有な合併症を引き起こすことも多いのが現状である.
本稿では,子宮筋腫核出術を安全に行うために,それぞれの術式における特有な合併症とその対策に関して述べる.
参考文献
1) 林 保良,吉野佳子,亀井潤子,他 : 子宮筋腫の子宮鏡下手術.産科と婦人科71 : 49─53, 2004
2) Hulka JF : Operative hysteroscopy. American Association Gynecologic Laparoscopists 1991 membership survey. J Reprod Med 38 : 572─573, 1993
3) Akaeda T, Isaka K, Kakizaki D, et al : Evaluation of endometrial cancer eith 3D─VIBE(volume interpolated breath─hold examination)using intrauterine CO2 Gas, Magnetic Resonance Imaging 24 : 551─556, 2002
4) Akaeda T, Isaka K, Nakaji T : Clinical application of virtual hysteroscopy by CO2─multidetector─row computed tomography to submucosal myomas, The Journal of the American Association of Gynecologic Laparoscopists, in press, 2005
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