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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻5号

2005年05月発行

連載 Dos&Don'ts婦人科当直の救急診療ガイド・11

―性器出血を伴わないもの―卵巣過剰刺激症候群

著者: 葛西真由美1 鈴木博1

所属機関: 1岩手県立中央病院産婦人科

ページ範囲:P.779 - P.783

文献概要

1 はじめに

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は排卵誘発剤の投与により,卵巣腫大,腹水あるいは胸水の貯留,血液濃縮および循環血液量減少を3大症状とする症候群であり,ほかに体重増加,食欲不振,血清電解質異常,および乏尿などを伴う(図1)1).重症例では血栓症,腎不全,呼吸不全などを合併して,脳神経障害の後遺症を残したり,多臓器不全により死に至ることもある(図2)1).治療に当たっては病態を理解し,病状を悪化させないように進めていくことが大切である.

参考文献

1) 北井啓勝 : なぜOHSSが発症するか.Organon Reproductive Medicine Series 1 : 3─8,1996
2) 広井正彦,武谷雄二,伊吹令人,他 : 生殖,内分泌委員会報告「不妊治療における卵巣過剰刺激症候群の発生頻度.対応及び転帰について」.日産婦誌48 : 857─861,1996
3) 坂元正一 : 卵巣過剰刺激症候群の管理.日母医報(付録)日母研修ニュース1 : 2─12,1996
4) 岩本 充,妹尾匡人,大山正俊 : 卵巣過剰刺激症候群重症例に対する腹水濾過濃縮再静注療法の試み.産科と婦人科63 : 105─109,1996
5) 小川修一,荒木重雄 : 排卵誘発における母体の危機とその対策.周産期医学29 : 151─155,1999
6) 後藤 薫,児玉英也 : 卵巣過剰刺激症候群と血栓症.臨床血液37 : 799─807,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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