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連載 症例
複雑型異形子宮内膜増殖症に対する子宮鏡治療ののち生児を得た不妊症例
著者: 竹村昌彦1 辻江智子2 富家真理2 木村正2 中嶌竜一2 古山将康2 山嵜正人1 村田雄二2
所属機関: 1大阪労災病院産婦人科 2大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学産科婦人科
ページ範囲:P.799 - P.802
文献購入ページに移動子宮内膜ポリープは子宮内膜の局所的な過発育として定義される病変である.子宮内膜ポリープと子宮内膜癌との関係は十分に明らかにされていないが,子宮内膜癌の発生母地となる可能性がある.子宮内膜ポリープは,決して稀な病変ではない.画像診断手技の向上に伴って,無症状の内膜ポリープが発見される頻度は増加しているものと考えられる.
子宮内膜ポリープの治療法としては,胎盤鉗子による摘除や内膜全面掻把が行われてきたが,手術用子宮鏡,特にレゼクトスコープの発達と普及により,直視下で正常子宮内膜への損傷を最小限に抑えて,ポリープのみを残存なく切除することが容易になった.しかし,子宮内膜ポリープを診断したときに全例で直ちに治療を行うべきかどうかについては明確な指針はない.
われわれは,不妊治療の過程で内膜ポリープを診断し,直視下に切除を行ったところ,複雑型異形子宮内膜増殖症(endometrial hyperplasia complex with atypia)であった症例を経験した.この症例を呈示して,子宮内膜ポリープの診断と治療について考察する.
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