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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻6号

2005年06月発行

文献概要

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・1

前回帝切後に経腟分娩(VBAC)し,癒着胎盤のために子宮内反症をきたしショック状態になった1例

著者: 深石孝夫1 松井啓人1 鏡一成1 清水和子1 高木剛2 田村友宏2

所属機関: 1桐生厚生総合病院産婦人科 2群馬大学医学部附属病院産婦人科

ページ範囲:P.893 - P.897

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症 例

 患 者 : 30歳代後半

 既往歴 : 2年前に腎盂腎炎

 妊娠歴 : 1経産(帝王切開)

 経 過 : 今回の妊娠経過中,特に異常を認めなかった.妊娠40週2日,陣発にて入院した.GBS陽性のためPIPC点滴,前回帝切のためヴィーンFにて血管確保し経過を観察した.その後,無事,経腟分娩となり,3,140 gの女児を娩出した.アプガースコアは9─10─10であった.児を娩出後,胎盤が娩出しなかったので,10~20分経過後に臍帯牽引,Crede圧出法,Brant─Andrews法など各種の胎盤娩出法を施行したが娩出できなかった.その後,突然,疼痛を訴えショック症状となった.血管確保をもう1本追加し,カコージンなど昇圧薬を使用しショックの治療を行った.

初診時の所見

 状況として子宮内反症を疑ったが,超音波断層法,内診にて子宮内反症の所見はとれなかった.しかし状況は子宮内反症を疑い,ショック対策を施行し手術を決定した.このとき疼痛が強かったので胎盤を環納し,内反症の整復はできなかった.

参考文献

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2) Fox H : Placenta accrete. Obstet Gynecol Surv 27 : 475─490, 1972
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7) 鈴木 卓,岡村州博,矢嶋 聰 : 産後に起こりやすい合併症とその処置─子宮内反症.周産期医学26 : 1069─1071, 1996
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9) Huntington JL : Abdominal reposition in acute inversion of the puerperal uterus. Am J Obstet Gynecol 15 : 34─40, 1928

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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