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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻8号

2005年08月発行

雑誌目次

今月の臨床 骨粗鬆症をめぐる新しい話題

骨粗鬆症の病態

著者: 稲田全規 ,   宮浦千里

ページ範囲:P.1071 - P.1073

はじめに

 閉経後骨粗鬆症は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下によって骨代謝回転が上昇し,骨吸収が優位になることにより骨量減少をきたすことに起因する.骨粗鬆症は高齢者のQOL低下の原因となり,本症の発症メカニズムについて精力的な研究が進められているが,完全な解明には至っていない.これらを明らかにするには,エストロゲンの欠乏によって骨量が低下する過程を理解することが必須である.本稿ではエストロゲンの欠乏に起因する骨量減少を考察し,閉経後骨粗鬆症の病態のメカニズムを概説する.

骨粗鬆症の疫学

著者: 久具宏司 ,   矢野哲 ,   武谷雄二

ページ範囲:P.1074 - P.1079

はじめに

 人口構成の高齢化現象の結果,日本における骨粗鬆症の有病者数は徐々に上昇してきている.高齢化社会の進行とともに慢性疾患の著しい増加が起こるが,このような慢性疾患に伴う最大の問題点は,むしろ生命予後を悪化させることではなく,日常生活動作(activities of daily life : ADL)や生活の質(quality of life : QOL)が低下することである.骨粗鬆症は骨折の原因となることから高齢者のQOLの低下をもたらし,その結果,深刻な社会問題を誘発する.

診断

骨密度測定の適用

著者: 齋藤裕

ページ範囲:P.1081 - P.1083

はじめに

 わが国は高齢化時代を迎え,“健康日本21”では,寝たきりにならないで生活できる期間である健康寿命を延ばすなどを目標に国民の健康づくりが推進されている.2020年には4人に1人が,2050年には3人に1人が高齢者となり,わが国は急速な高齢化が進むことが推測されており,現在,骨粗鬆症患者は1,000万人と推測されている.骨粗鬆症によって起こる脊椎や大腿骨頸部骨折は高齢者のQOLを大きく損なうばかりでなく有病罹患率も増加し,死亡の原因になるといわれている.

 骨粗鬆症は骨量の低下と骨組織の微細構造の変化を特徴とするが,その主な変化である骨量の低下は自覚症状として現れにくく,本疾患は沈黙の疾患とされ早期発見は困難であり,医療機関の活動のみで早期発見,早期治療が可能な疾患ではないとされている.骨粗鬆症の予防は,早期に開始し,最大骨量となる20歳代までになるべく最大骨量を確保し,それを減らさないよう維持することが重要である.それには国民全体の疾病に対する意識を高め,骨粗鬆症の発生,老年期の骨折予防に努めることが肝要であり,まず自分自身がどれだけの骨密度を有しているかを知ることが重要とされている.

骨密度測定の方法

著者: 森重健一郎

ページ範囲:P.1085 - P.1089

はじめに

 骨密度測定と骨代謝マーカーは,診断,治療効果の判定に使用される有用な検査法である.現在,末梢骨の骨量測定法として第2中手骨MD(microdensitometry),橈骨SXA(single energy X─ray absorptiometry),橈骨DXA(dual energy X─ray absorptiometry),末梢骨QCT(peripheral quantitative CT : pQCT),踵骨QUS(quantitative ultrasound),軀幹骨の骨量測定法として腰椎,大腿骨,全身骨DXAと腰椎QCTが行われている.各種の骨量測定法では,測定部位,測定精度, 測定時間, 被曝線量などが異なり,簡便性などを加味してその用途が異なってくる(表1).

 本稿では,現在までに多く紹介されてきたMD法,DXA法以外で,骨検診などに多用されているQUS法および真の骨密度測定が可能なpQCT法について紹介する.

骨代謝マーカーの読み方

著者: 津田幹夫 ,   児玉一郎 ,   工藤美樹

ページ範囲:P.1090 - P.1093

はじめに

 骨代謝マーカーの測定意義は,骨粗鬆症の疾患概念の変遷とともに変化しているように思われる.以前,骨粗鬆症とは「骨量の低下と骨微細構築の劣化を特徴とし,骨折をきたしやすい全身性の骨疾患」と定義されていた1).骨量は脊椎X線や,dual X─ray absorptiometry (DXA)法による骨密度測定により決定されていたが,骨代謝マーカーはこれらの方法と比較して被曝のリスクがなく,尿や血液といった簡便な材料で測定できるためX線測定に替わる指標として位置づけられていた.しかし,2000年には骨粗鬆症の定義が「骨折リスクを増加させるような骨強度障害を持つ人に起こる骨格の疾患」へと変化し2),骨強度が骨密度と骨の質によって決定されることから,骨代謝マーカーは臨床的に骨の質を評価することができる唯一の方法として注目されるようになった.

 本邦においても2001年に日本骨粗鬆学会より骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン3)を呈示され,その後改訂を重ねて2004年には骨代謝マーカーを用いた骨粗鬆症治療の効果判定のガイドライン4)が呈示されている.本稿では,そのガイドラインの内容を中心に骨代謝マーカーの使い方を概説する.

予防・治療法

骨を守るライフスタイル : 食事・運動

著者: 佐々木敏

ページ範囲:P.1094 - P.1099

はじめに

 日本人の骨折率は世界では中レベルにランクされている1).そして,国を単位として生態学的研究を行うと,大腿骨頭骨折の発症率とカルシウム摂取量とは強い正の相関を示す(図1)2).これは,骨折や骨粗鬆症と生活習慣との関連が複雑であり,カルシウムだけで片付く問題ではないことを示唆している.そこでここでは,骨折・骨粗鬆症予防への食事と運動の関与について,代表的な疫学研究をレビューすることによってその全体像を簡単にまとめてみたい.

薬物療法の基本的な考え方

著者: 小林範子 ,   藤野敬史 ,   櫻木範明

ページ範囲:P.1100 - P.1105

婦人科の骨粗鬆症治療における役割

 骨粗鬆症はますます高齢化が進行するわが国においても早期発見・早期予防が重要な疾患である.本疾患は多因子が関連した生活習慣病であるが,女性に発症が多い理由として閉経に伴うエストロゲンの低下が大きく関連している可能性が高い1).そのため,閉経前後からの定期検診により早期発見・早期治療が可能であると思われるが,わが国では閉経前後からの定期的な骨量測定の制度はまだ十分に整っていない.わが国での骨粗鬆症に対する病識は決して高いとはいえず,骨粗鬆症患者においても自分は骨が丈夫であると過信しており,偶然に調べた検診で初めて指摘されることも少なくない.現実に骨折を起こしてから整形外科を受診し,骨粗鬆症の診断を受ける女性も多い.女性の一生を管理する婦人科医としては,進行した骨粗鬆症患者の治療にとどまらず,若年期からのエストロゲン低下症例や,閉経後の若い年代でも骨量減少症から骨粗鬆症へ進行する可能性の高いハイリスク症例などを早期に認識し,患者指導および治療を行き届かせることが大切な役割であると思われる.

骨粗鬆症の治療目標に対する考え方の変化

 従来は骨の強度の大部分は骨密度によって規定されると考えられていたこともあり,骨粗鬆症治療においては骨量増加を治療効果判定の指標としてきた.そのため骨密度検査による薬剤の有効性の評価が重要視されてきた.しかし,1990年代後半より骨折防止効果を証明する大規模臨床試験が行われるようになり,骨粗鬆症治療でevidence─based medicine(EBM)が確立されてくるにしたがって,骨粗鬆症治療のend pointは骨量増加から骨折予防へと考え方が変化してきた.

ラロキシフェン(SERM)―ラロキシフェンの骨粗鬆治療における位置づけ

著者: 野崎雅裕

ページ範囲:P.1107 - P.1111

はじめに

 本邦における女性の平均寿命は85歳を超え,中高年女性の健康を守ることがさらに重要となってきた.そのなかでも,骨粗鬆症に対する生活習慣の改善および積極的な予防的治療により中高年女性が受ける恩恵は,一般女性が認識している以上に大きいものである.閉経前後から女性の骨代謝は高回転型となり,加齢とともに骨量は確実に低下する.この高回転型骨代謝を抑制するためには,前出の生活習慣,ライフスタイルの改善はもちろんのこと,各種薬剤の適正な使用が必要である.カルシウム製剤,活性型ビタミンD製剤は,健全な骨代謝を維持するための基礎となるものである.骨粗鬆症のほかの治療法としては,ビスフォスホネート製剤やホルモン補充療法(HRT)に加えて,選択的エストロゲン受容体モジュレーター(selective estrogen receptor modulator : SERM)であるラロキシフェンなどが知られている.本稿では,筆者が考えているラロキシフェンの骨粗鬆症治療における位置づけについて述べたい.

ラロキシフェン(SERM)―ラロキシフェンの副効用と副作用

著者: 大道正英

ページ範囲:P.1112 - P.1115

はじめに

 ホルモン補充療法は,その危険性がクローズアップされ転換期を迎えている.その理由の根底には,心・血管疾患への一次予防を目的とした前方視的大規模無作為臨床試験であるWomen's Health Initiative(WHI)の2002年の結果がある(表1).女性ホルモンに子宮内膜癌発症予防のために合成黄体ホルモンを併用したHRTでは大腿骨頸部骨折の発症を減少することが確かめられたが,冠動脈疾患・脳梗塞,乳癌,肺塞栓症のリスクを上げることも明らかになった1).この臨床試験の結果より,FDAでは,ホルモン補充療法は更年期症状の治療目的のみで利用されるべきで,心・血管疾患の予防目的で行うべきではないと勧告している.しかしながら,子宮摘出後に女性ホルモンだけを投与したERTの影響をみた2004年のWHIの結果では,脳梗塞のリスクは上がるものの,冠動脈疾患,乳癌,肺塞栓症のリスクは上がらなかった2)

 心・血管を保護する作用のある女性ホルモンが低下する閉経そのものが,心・血管疾患のリスクファクターであることは数多くの疫学的事実,観察的研究,および実験結果より論を俟たないが,女性ホルモンの投与方法が問題である.選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator : SERM)であるラロキシフェンは,骨・脂質代謝にはエストロゲンアゴニストとして,乳腺・子宮内膜にはエストロゲンアンタゴニストとして作用する性腺に影響を与えない理想的なエストロゲン製剤であり3),次世代のホルモン補充療法薬として注目されている.本稿では,ラロキシフェンの副効用として骨以外の組織(乳腺,子宮内膜,卵巣,血管)に及ぼす作用とラロキシフェンの副作用について紹介する.

ビスフォスホネート製剤の使い分け

著者: 三木隆己

ページ範囲:P.1116 - P.1119

はじめに

 ビスフォスホネートにはエチドロネート,アレンドロネート,リセドロネートの3種類があり(表1),大規模臨床試験により有効性が明らかにされている.ただ,過剰投与では石灰化抑制作用があり,骨軟化症を生じる可能性があることから,エチドロネートが骨粗鬆症治療薬として健康保険の適用を受けたが,投与される患者数は急速には増えなかった.その後,骨折防止効果が多数症例に基づいた臨床研究やメタアナリシスにより科学的に明らかにされ,アレンドロネートやリセドロネートの健康保険適用とともに,徐々に服用患者数が増加しつつある.わが国では,ステロイド骨粗鬆症の診療に対する第一選択薬と位置づけられている1).これら3種類のビスフォスホネートをどのように使い分けるかについての科学的証拠はないが,服用方法,有効性の科学的証拠,副作用などに多少の違いがある(表1).

新しいHRTの可能性

著者: 五來逸雄

ページ範囲:P.1121 - P.1126

はじめに

 これまで,ホルモン補充療法 (hormone replacement therapy : HRT)は,産婦人科医だけでなく広く一般の女性も,骨粗鬆症による骨折の発症率を低下させるのみならず,心筋梗塞,脳卒中のような心血管系疾患を予防することにより,閉経後女性のQOL改善のために大いに貢献すると信じてきた.WHI報告,Million Women Study以後,HRTに対する評価,考え方が本邦を含めて国際的に変化しつつある.WHI報告後に日本更年期医学会により実施されたHRTに対するアンケート結果によると,WHI報告後にHRTを中止したと回答したのは6.9%であり,現在本邦でHRTを受けている女性の割合は約3%といわれるので,HRT療法の現状にはさほど影響はないと考えられる.しかしHRTの内容,投与期間に関してはそれぞれ結合型エストロゲン(CEE)の量を減らしたり,貼付剤やエストリオールに変更したり,2~5年以上は行わない,患者の希望に合わせるなどの変化がみられている.どのような疾患を適応としてHRTを施行するのかに関しては,WHI以後,高脂血症,動脈硬化,アルツハイマーの予防が著明に減少したが,更年期障害様症状,卵巣摘出後諸症状,骨量減少・骨粗鬆症予防,腟萎縮・老人性腟炎,性交痛,早発閉経・去勢後の予防投与などはWHI以後でも変化を認めていない.一方,最近SERMが新しいHRTとして紹介されることがあるが,一部で誤解を招いている.例えば,ラロキシフェンが更年期障害の患者で処方され,Kaufmann療法でラロキシフェンをEP錠の代わりに用いるなどが聞かれる.本稿のテーマが「新しいHRT」であるので,誤解を避けるために本稿ではSERMについては触れず,将来のHRTの1つとして低用量HRTについて解説する.

その他の薬剤

著者: 杉本利嗣

ページ範囲:P.1128 - P.1131

はじめに

 本特集の他稿で述べられているエストロゲン製剤,選択的エストロゲン受容体モジュレーター,ビスフォスホネート製剤以外に,本邦で使用可能な骨粗鬆症治療薬として,活性型ビタミンD3製剤,カルシトニン,イプリフラボン,ビタミンK2,蛋白同化ホルモンがある.また新規開発中の注目される薬剤として,副甲状腺ホルモン(PTH),新規ビタミンD誘導体,ストロンチウム,そして破骨細胞分化誘導因子であるreceptor activator of nuclear factor kB ligand(RANKL)に対するヒト型モノクローナル抗体などが挙げられる.本稿では,骨格筋への作用を介した転倒防止効果の存在や骨形成促進作用を有する新規誘導体の開発で注目されているビタミンD製剤と骨形成促進剤として脚光を浴びているPTHについて概説する.

婦人科がん治療後の骨粗鬆症

著者: 角俊幸 ,   延山裕之 ,   石河修

ページ範囲:P.1132 - P.1135

はじめに

 婦人科悪性腫瘍に対する手術療法では,閉経前の患者に対してもしばしば両側卵巣が摘出される.これらの症例では,両側卵巣機能の消失によるエストロゲンの欠乏により,hot flash,発汗過多,不眠,いらいら,肩こりなどの更年期障害(卵巣欠落症状)や,骨盤底粘膜組織の萎縮による排尿障害や性交障害,さらには骨吸収が亢進し著明な骨塩密度の低下を認め,これが骨粗鬆症,ひいては骨折のリスクを高めている.

 そこで,本稿では婦人科癌治療時の卵巣摘出における骨への影響について骨代謝マーカーを中心に検討し,卵巣摘出後の骨粗鬆症の予防・治療法について,筆者らの自験例を中心に解説する.

月経異常による骨量減少

著者: 甲村弘子

ページ範囲:P.1136 - P.1141

はじめに

 閉経後骨粗鬆症とエストロゲン欠乏との関連については近年研究の成果が著しく,数多くのことが明らかにされてきた.一方,閉経前の卵巣機能不全についても骨量減少を引き起こすことが推測され,特に思春期からの無月経は,最大骨量の獲得に影響を与えて将来の骨粗鬆症が憂慮される.

 エストロゲンは破骨細胞,骨芽細胞いずれにも作用し,破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成との間の平衡関係(リモデリングバランス)を維持することで骨量を保つと考えられている.エストロゲンが欠乏すると,骨代謝回転が亢進して骨吸収が優位になって骨量の減少を引き起こし,皮質骨より海綿骨での減少が著しくなる.閉経後ばかりでなく思春期あるいは性成熟期にあっても,エストロゲンが低下して無月経になるとその合併症として骨量の減少を招くことが指摘されている.

 本稿では,思春期から性成熟期を通じての卵巣機能不全(月経異常)と骨密度に関する知見を述べる.

連載 カラーグラフ・知っていると役立つ婦人科病理・72

What is your diagnosis ?

著者: 清川貴子 ,   濱田智美

ページ範囲:P.1067 - P.1069

症例 : 41歳,女性

 水様性帯下を主訴として近医産婦人科を受診.頸部擦過細胞診で異常所見を認め,内診上子宮頸部の腫大も認められるため,円錐切除術が行われた.Fig1~3は円錐切除検体に認められた本病変の代表的な組織像(HE染色)である.

 1.病理診断は何か.

 2.本病変の免疫組織染色の特徴について述べよ.

 3.鑑別診断のうち最も重要なものは何か.

TOPICS

ガイドラインをふまえた性感染症に対する抗菌薬治療の実際

著者: 松田静治

ページ範囲:P.1143 - P.1145

若者に増える最近の性感染症の特徴

 近年,若年者の間で性感染症(STD,STI)が急速に増えてきている.1999年の感染症新法の制定に伴い,従来の性病予防法で規定された性病という名称はなくなり,クラミジア,トラコマチス感染やHIVをはじめ,ウイルス感染を加え,現在STDには10種類以上の疾患がある.厚生労働省の感染症発生動向調査では大都市を中心にSTDは増加し,罹患年齢も10代後半~20代の間で増加がみられている.また臨床病態が比較的軽微で目立った自覚症状がなく,周囲に感染が拡がるばかりでなく,STDは性器に限局するものとする従来の概念が大きく変わり,性交以外の性行為による感染も増えていることに注意しなければならない.

 クラミジアや淋菌ではオーラルセックス(経口感染)により口腔(咽頭炎)への感染も拡がってきている.この背景には性に関する意識や性行動の変化が挙げられよう.なかでも問題は,性行動の活発な若者や未婚女性におけるSTDの増加で,セックスパートナーが多いほど,人工妊娠中絶の既往を有するものほど,感染頻度の高い傾向がみられる.治療で問題なのが耐性淋菌感染症(ニューキノロン系薬,β─ラクタム系薬耐性など)の増加で,有効薬剤が限られていることである.

婦人科超音波診断アップグレード・16

良性卵巣腫瘍および類似病変の超音波所見

著者: 佐藤賢一郎 ,   水内英充

ページ範囲:P.1147 - P.1160

1 はじめに

 本連載で,これまで卵巣成熟嚢胞性奇形腫1)と卵巣チョコレート嚢胞2)の超音波所見を述べてきた.今回は,そのほかの良性卵巣腫瘍として日常診療で遭遇する機会の多い良性漿液性腫瘍,良性粘液性腫瘍と続発する腹膜偽粘液腫,ときに子宮筋腫と鑑別が問題となる充実性腫瘍である線維腫,莢膜細胞腫,および卵巣嚢腫と類似する傍卵巣(卵管)嚢胞,卵管留症,貯留嚢胞,腸間膜リンパ管腫,そして異物肉芽腫,膿瘍の超音波所見について取り上げたい.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・3

子宮内膜細胞診で陰性と判定された子宮体癌の2例

著者: 井上卓也 ,   上田博久 ,   高尾由美 ,   武内英二 ,   小野一雄

ページ範囲:P.1162 - P.1165

症例①

 患 者 : 68歳

 主 訴 : 不正性器出血

 既往歴 : 特記すべきことなし.

 現病歴 : 2003年3月,不正性器出血を自覚したため近医を受診した.近医にて子宮内膜細胞診が施行されたが結果は陰性であった.4月に再び不正性器出血を自覚したため近医を再受診し子宮内膜細胞診が再検されたが,陰性であったため経過観察を指示された.しかし,その後も不正性器出血が持続するため5月に当科外来を受診した.

 初診後の経過 : 内診時に少量の性器出血を認め,経腟超音波で腫瘤状の異常陰影を認めた.子宮内膜細胞診を行ったが,前医と同様,陰性の結果であったが,MRI検査でもやはり子宮内に異常陰影を認めたため,子宮体癌を疑い子宮鏡検査を施行した.子宮鏡では内腔へ突出する腫瘤状の部分を認め悪性疾患を疑った.しかし,子宮鏡検査の際に行った子宮内膜全面掻爬では少量の子宮内膜組織しか採取できず,病理組織診断もmetaplastic changeで悪性の確定診断はできなかった.

イラストレイテッド産婦人科小手術・2

―【麻酔と切開】―皮膚の切開と縫合

著者: 河野圭子 ,   西田正人

ページ範囲:P.1168 - P.1171

1 はじめに

 患者が見ることのできる部分は皮膚切開創だけである.これはよくいわれることであるが,対象患者が女性に限られる産婦人科では,特に重要な点である.できる限り目立たない美しい仕上がりを目指さなければならない.そのためには最初の皮膚切開が重要なポイントを占める.ここでは,皮膚切開,縫合のコツを述べる.

OBSTETRIC NEWS

静脈血栓塞栓症と帝王切開

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1173 - P.1177

妊娠は静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)の危険因子である.非妊娠時に比較し発生頻度は5倍にまで達する(OG 94 : 730, 1999).妊娠中のVTEは罹患と死亡の最大原因で,発症頻度は0.05~0.3%と報告されている(AJOG 164 : 286, 1991).

 非妊婦では膨大な研究があるが,妊娠と血栓塞栓症に関する研究は少なく,ほとんどが後方視的か実験的であり,推奨は妊娠していない場合の知識を当てはめたものか,あるいは単なる識者の意見がほとんどである.

病院めぐり

耳原総合病院

著者: 坂本能基

ページ範囲:P.1178 - P.1178

耳原総合病院は,特定医療法人同仁会の急性期医療部門を担うセンター病院です.同仁会は,耳原総合病院(374床),回復期リハ病棟と療養型病床を持つ耳原鳳病院,老人保健施設みみはら,4つの地域診療所および歯科診療所,在宅訪問看護ステーションなどを備えた医療・福祉の総合体として,地域医療に貢献することを目指しています.耳原総合病院は,同仁会のセンター病院であり,救急部門,急性期医療を担う急性期特定病院として日夜奮闘しています.厚生省臨床研修指定病院,財団法人日本医療機能評価機構認定・一般病院種別B,各科研修指定または専門研修指定施設に認可されています.

 私たちの病院は,同和地区に無差別の医療を提供する理念から始まりました.「いつでも,どこでも,だれでも安心して良い医療が受けられる」を理念とし,開設以来一貫して室料差額を取らずに病院を運営し,また高い水準の医療を追求して研鑽,努力しています.

―国立病院機構―京都医療センター

著者: 山本紳一

ページ範囲:P.1179 - P.1179

当院は明治40年6月に京都衛戎病院として設立され,昭和20年12月,国立京都病院として厚生省に移管され,平成16年4月1日より独立行政法人国立病院機構京都医療センターと名前を変えました.病床数600床,医師137名,看護師387名で,26診療科を標榜する高度総合医療施設です.京都の南部,伏見区深草に位置しています.

 当院は内分泌・代謝性疾患の高度専門医療施設,成育医療の基幹医療施設,がん・循環器病・腎および感覚器疾患の専門医療施設,そのほかの政策医療としてエイズ治療,国際協力施設として位置づけされています.平成11年3月には病院情報システムが稼働を開始し,平成16年3月には電子カルテシステムが導入され稼働しています.

Estrogen Series 64

更年期症状に対する植物性エストロゲンの効果

著者: 矢沢珪二郎

ページ範囲:P.1180 - P.1180

植物中に含まれるエストロゲン作用を持つ物質はphytoestorgenと総称されるが,それらはエストロゲン受容体に結合し,何らかのエストロゲン効果を有する.ファイトエストロゲンにはイソフラヴォン,リグナン,クメスタンの3物質に大別される.イソフラヴォンにはゲニステイン,ダイゼイン,グリシテインなどが含まれ,そのエストロゲン作用は証明済みである.アジア諸国では大豆製品が多く食用に供され,そのために「のぼせ」などの更年期症状の発生が少ないとの報告がある.日本からの一論文では(個人における)大豆製品の消費量と「のぼせ」の頻度が有意な逆比例の関係にあることを報告している1).また,もう1つの日本からの研究は日本女性のイソフラヴォン摂取量を示しているが,それによれば対象を摂取量の順に三分画すると,イソフラヴォン摂取量はそれぞれ20.5 mg,32.8 mg,50.8 mg/dであった2).ここで検討した論文におけるイソフラヴォンの1日摂取量は34~160 mgなので,その摂取量は大豆製品の摂取が多い国々における摂取量に匹敵し,それゆえ臨床的にも意味のある量であると考えられる.

 ミネソタ大学の研究者らは1966~2004年に発表された論文をMEDLINEより集めレビューをしてみた.目的は,これら植物性エストロゲンはのぼせなどの更年期症状を軽減させるかどうか,という疑問に答えることにあった.検討対象となった論文はすべてランダムコントロール試験に限定した.これらの試験は植物性エストロゲンとプラセボコントロールによる効果を比較検討したものである.検討の対象となった植物性エストロゲンは大豆製品(食品,飲み物,食品),大豆抽出製品,レッドクローバー抽出製品などである.

症例

子宮外妊娠に対するmethotrexate全身療法後に発症した癒着性イレウスの1例

著者: 武内務 ,   鈴木俊治

ページ範囲:P.1183 - P.1186

はじめに

 経腟超音波断層法や低単位human chorionic gonadotropin(以下,hCG)検出薬などの補助診断の進歩によって子宮外妊娠の早期診断が可能となり,妊孕性温存を考慮した初期治療としてのmethotrexate(以下,MTX)による薬物療法も実施されるようになっている1~4).しかし,その治療適応基準は未だ確立していないのが実状であり,治療経過不良例も散在していると推定される.その多くは治療中の卵管破裂などによる腹腔内出血と推定されるが,今回われわれは,MTX全身療法から1か月以上経過したあとに骨盤内流産血腫を原因とした癒着性イレウスを発症した症例を経験したので報告する.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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