icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻8号

2005年08月発行

今月の臨床 骨粗鬆症をめぐる新しい話題

診断

骨密度測定の適用

著者: 齋藤裕1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院産婦人科

ページ範囲:P.1081 - P.1083

文献概要

はじめに

 わが国は高齢化時代を迎え,“健康日本21”では,寝たきりにならないで生活できる期間である健康寿命を延ばすなどを目標に国民の健康づくりが推進されている.2020年には4人に1人が,2050年には3人に1人が高齢者となり,わが国は急速な高齢化が進むことが推測されており,現在,骨粗鬆症患者は1,000万人と推測されている.骨粗鬆症によって起こる脊椎や大腿骨頸部骨折は高齢者のQOLを大きく損なうばかりでなく有病罹患率も増加し,死亡の原因になるといわれている.

 骨粗鬆症は骨量の低下と骨組織の微細構造の変化を特徴とするが,その主な変化である骨量の低下は自覚症状として現れにくく,本疾患は沈黙の疾患とされ早期発見は困難であり,医療機関の活動のみで早期発見,早期治療が可能な疾患ではないとされている.骨粗鬆症の予防は,早期に開始し,最大骨量となる20歳代までになるべく最大骨量を確保し,それを減らさないよう維持することが重要である.それには国民全体の疾病に対する意識を高め,骨粗鬆症の発生,老年期の骨折予防に努めることが肝要であり,まず自分自身がどれだけの骨密度を有しているかを知ることが重要とされている.

参考文献

1) 折茂 肇 : 骨粗鬆症の啓発が急務.骨粗鬆学.日本臨床62 : 1─6,2004
2) 藤原佐枝子 : 厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業 ; EBM分野 骨粗鬆症検診の有効性に関する研究(班長 : 伊木雅之).平成14年度総括・分担報告書.pp27─76,2003
3) 鈴木隆雄 : 骨粗鬆症の自然歴(総論).骨粗鬆症.日本臨床60 : 149─154, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら