icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

連載 イラストレイテッド産婦人科小手術・3

―【麻酔と切開】―し開創傷の再縫合

著者: 有吉和也1 齋藤俊章1 塚本直樹1

所属機関: 1国立病院機構九州がんセンター婦人科

ページ範囲:P.1290 - P.1293

文献購入ページに移動
1 はじめに

 術後の創し開には,創感染,血腫,創にかかる外力(引っ張り,肥満,嘔吐,咳,腹水貯留などの腹圧の上昇),全身の状態(低栄養,糖尿病,高齢者など),手術手技などさまざまな原因が関与する.縫合創は一般に2週間経過すると強固に結合し,外力によるし開は稀である.

 し開創の多くは創感染が関与し,術後5~8日に発症することが多い.術中および術後に起こった細菌の増殖により,主に皮下組織に感染を生ずる.清潔手術,あるいは汚染があっても最小限である手術(clean or contaminated operation)の創感染率は2~5%といわれているが,膿瘍などの感染を伴う手術や,消化管切除を伴う手術など準汚染手術または汚染手術(contaminated or dirty operation)においては,さらに高率に創感染を生ずる1).本稿では,婦人科手術に伴う手術創のし開に対する治療,再縫合について述べる.

参考文献

1) 笹壁弘嗣 : 創傷管理(編集 : 福井次矢,小泉俊三,高木誠).三輪書店,1999
2) 塚田邦夫 : 創傷ケアの科学.日本看護協会出版会, 1995
3) 鶴間哲弘,平田公一 : 汚染創の処置.消化器外科26 : 716─721, 2003
4) Viljanto J : Disinfection of surgical wounds without inhibition of normal wound healing. Arch Surg 115 : 253─256, 1980
5) Wallace D, et al : Prevention of abdominal wound disruption utilizing the Smead─Jones closure technique. Obstet Gynecol 56 : 226, 1980
6) Colombo M, et al : A randomized comparison of continuous versus interrupted mass closure of midline incisions in patients with gynecologic cancer. Obstet Gynecol 89(5 Pt 1): 684─689, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?