文献詳細
文献概要
連載 イラストレイテッド産婦人科小手術・3
―【麻酔と切開】―し開創傷の再縫合
著者: 有吉和也1 齋藤俊章1 塚本直樹1
所属機関: 1国立病院機構九州がんセンター婦人科
ページ範囲:P.1290 - P.1293
文献購入ページに移動術後の創し開には,創感染,血腫,創にかかる外力(引っ張り,肥満,嘔吐,咳,腹水貯留などの腹圧の上昇),全身の状態(低栄養,糖尿病,高齢者など),手術手技などさまざまな原因が関与する.縫合創は一般に2週間経過すると強固に結合し,外力によるし開は稀である.
し開創の多くは創感染が関与し,術後5~8日に発症することが多い.術中および術後に起こった細菌の増殖により,主に皮下組織に感染を生ずる.清潔手術,あるいは汚染があっても最小限である手術(clean or contaminated operation)の創感染率は2~5%といわれているが,膿瘍などの感染を伴う手術や,消化管切除を伴う手術など準汚染手術または汚染手術(contaminated or dirty operation)においては,さらに高率に創感染を生ずる1).本稿では,婦人科手術に伴う手術創のし開に対する治療,再縫合について述べる.
参考文献
掲載誌情報