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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻1号

1952年01月発行

文献概要

原著

硫酸亞鉛試験による妊婦血清中γ—グロブリンの消長について

著者: 篠崎吉次1 佐藤定吉1 頭本藤雄1 紅林澄子1

所属機関: 1川崎市中央保健所

ページ範囲:P.18 - P.20

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緒言
 妊娠時に血清蛋白質各分劃がいかなる變動をなすかについて,最近電氣泳働法によつて研究されつゝある。本年度の第3回産婦人科學會總會に於ても鍋倉1),金子等によつで電氣泳動分析の結果が報告されたが,その成績によると正常妊婦ではalbuminの滅少及びa.β—globulinの増加が見られるが,γ—globulinは殆ど變動しないといわれる。又福井2)も同様の成績を發表し,特にγ—グ値(γ—globulinを略す)は17%前後で妊娠月數による有意の差を認めないと云う。最近γ—グ値が血清中免疫抗體を表現することが電氣動泳法によつて明らかにされ。その變動は生體の防衛機構の維持に大きな意義を有すると思われる。そこで我々は妊娠中の血清γ—グ値の消長を調べる爲に,肝臓機能試験法中のKunkel3)硫酸惡鉛試驗が血清γ—グ値を概測せしめることを利用して,正常妊娠,妊婦結核,妊婦梅毒についてγ—グ値の變化を追求してみたのでその大要をこゝに報告したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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