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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻1号

1952年01月発行

症例研究

術後急速に卵巣,頸部淋巴腺並に兩肺に轉移を來した子宮肉腫

著者: 山本文男1

所属機関: 1小野田市立病院産婦人科

ページ範囲:P.25 - P.29

文献概要

緒言
 子宮肉腫は古來甚だ稀有な疾患と言われている。その正確なる頻度は,全子宮腫瘍に就て,患部のみでなく健康と思われる部分をも含めたる子宮全體の連續切片の組織學的検査に依らない限り斷言する事は出來ないが,試みに比較的稀であると言われている子宮癌腫に比較たて見ると,略その頻度を推察する事が出來よう。即ち外來患者としての子宮癌の頻度は一般に3乃至4%と言われているが,Dixan & Deckerty, Evans, Kota & Ku—nfmann等の諸家の報告に依ると,子宮癌腫の約1/40と言われている。
 併し,特殊な症例を除ては,子宮肉腫の肉眼的所見は甚だ筋腫に類似し,臨床的に直ちに肉腫と確診出來る症例は極めて少いため,之迄子宮肉腫にして,筋腫として誤られ處置された例もある事は想像に難くなく,Paul Hussy や牧野等も之等の例を報告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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