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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻1号

1952年01月発行

診療室

農村地方に於ける産婦人科疾患の特殊性に就て—十二指腸蟲寄生と妊娠腎との關係

著者: 内野久1 村山文子1 水野哲義1

所属機関: 1内野病院

ページ範囲:P.34 - P.35

文献概要

 十二指腸蟲も蛔蟲と同様に,文化の程度,寒暖の別により差はあるが,地球上凡ゆる地域に存在するがその中特に,熱帯,亞熱帶圏内に多く,本縣に於ても,濃厚に分布し,各地に存在している。近時公衆衛生の徹底普及により,年々減少しているものの,農村地方の流行は,豫想外に多いしたがつて十二指腸蟲寄生に基く貧血は今尚,農村衛生の重要項目と稱してもよい位である。
 しかしながら,その症状については既に成書文献等に殆んど餘す所なく盡されている感がある。ところが,眼を轉じて産婦人科領域から本寄生蟲の寄生を観察してみると案外等閑視された點が出て來て疾病の診断治療に重要な役割を果す場合が少くない。私等は主として,農村地方の患者に接している關係から特にその感を深くし,したがつて本問題に興味をもつたわけで,本篇では十二指腸蟲寄生と妊娠腎との關係の,臨床的観察に就て述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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