icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻10号

1952年10月発行

文献概要

抄録

少量の卵胞ホによる無月脛療法,他

著者: 水谷1

所属機関: 1東大

ページ範囲:P.488 - P.491

文献購入ページに移動
 無月經の治療にはOvocyclin 5mgを5〜6回Luteo-cyclin 5mgを5回注射するKauffmann樣式が廣く行われているが之は去勢婦人の検査に基いて出來たものである。然し無月經の治療を望む患者は弱い乍らも自己の卵巣で卵胞ホの一定量を生産している。故に無月經も一般に用いているよりも少量の卵胞ホで治療すべき可能性がある。少量の卵胞ホで治療する無月經は卵巣性にせよ脳下垂體性にせよ明かにホルモン過少性無月經に限る。全循環血を51と假定して循環全量はÖstrogen O.025〜0.1mg.Progesteronは性周期の後半に於て10-40mgとなる。卵胞ホ,5mgの注射は1日需要量の約50〜200倍に相當し,5mgのLutocyclinは性周期後半最高1日要量の約10%に當る。此點を考えて吾々は卵胞ホ量は周期の前半には1〜2.5mgのOvocyclinを4回用い周期の後半には10〜50mgの量内でLutocyclinと併用した。嚴密な檢査と凡ての疑わしい例を排除して少量の卵胞ホの效果判定に適當と思われる20例の患者の43周期について報告する。效果は性器出血の成否と腟塗抹標本に於けるÖstrogen反應によつた。43の誘發された周期中42が性器出血で反應した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?